あの震災から今日で4年。まあまあ長く生きている僕ですが、それでも体験したことのない大きな地震。絶対に忘れることはないだろう、と思っていましたが、あんなに怖い経験でも時間が経つと記憶や感情は薄らぐもので、「風化」とはよく言いますが、少しずつ流されていってしまうものです。今年の頭に、機会あって福島県浪江町を訪れることができました。揺れに加えて津波の被害、さらに原発の被害にもあっている地域です。通行証をもっていないと入れない地区では、よくある田舎の風景なのに、人っこ一人いないため荒廃した住宅街を見たり、震災が起きたときのまま、つぶれた家があったり、さらに海岸近くに進むと突然開けた広大な空き地が現れ、そこはかつて住宅街だった場所で、津波に全てもっていかれたのだと聞き、その威力の凄まじさを感じずにはいられませんでした。地盤が沈下しているために、漁港のプラットホームが海面ギリギリにあったり、堤防が崩れていてその内側に海水がたまっていたりと、大分片付いてきてるとは言え、まだまだ災害の爪痕が生々しく残っていることが、復興の難しさを感じさせ、ショッキングな光景でした。それでも、あ
の景色を見れた分、消えかけてた震災の記憶も感情もいくらか取り返すことができたのです。ちゃんと時代を目撃しておいてよかったです。
まだまだ大変な生活を強いられてる方々がいるというのに、東京でのほほんと、芝居だ、コントだといろいろ悩んだりしているわけですが、つくづく幸せな環境だなーと、感じます。だからこそ、ちゃんと一生懸命やらなきゃいけないな!と、思いを新たにするのです。一年に一度、そんなことを感じる日に、これからもずっとしていこうと思います。