【漫画】賀来ゆうじ『地獄楽』 | 本の虫凪子の徘徊記録

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【再読】  賀来ゆうじ『地獄楽』1~13 ジャンプコミックス 集英社

 

アニメが始まる前に復習しておきます。

ジャンプラで連載していた少年漫画です。

PVの完成度高くて期待値がめちゃくちゃ上がってます。

 

以下、内容についての記載あり。未読の方はご注意ください。

まず、簡単に、あらすじを。
時代は江戸時代後期、幕府の役人たちは近海で未知の島を発見します。そこにはなんと、「不老不死の仙薬」があるという噂が。
しかし、何度か送った調査団は全滅。
複数回の失敗で島の危険性を認識した幕府は、次なる調査団を死罪人たちで構成することにします。腕に自身があり、なおかつ死んでも構わない人材を、という合理的な判断です。
将軍の命を受け、島の探索に向かう死罪人たち。そして彼らには監視役として、打ち首執行人「山田浅ェ衛門」門下の剣士たちが一人ずつつくことになります。
死罪人と監視役がペアで島の探索に当たり、見事に仙薬を見つけた罪人には恩赦が与えられるという仕組みです。
メインとなるのは忍の画眉丸(死罪人)と女剣士の佐切(監視役)のペア。

舞台は「島」の中でほぼ完結しています。
パッと見は花が咲き、蝶が舞う、極楽浄土もかくやという幻想的な土地。
が、その実態は不気味な怪物や毒虫が蠢く得体の知れない人工の島で、ここに閉じ込められた死罪人と監視役たちは、襲い来る不気味な敵たちとの戦いを余儀なくされます。

忍者×剣士×仙術×ファンタジー。
作り込まれた独特な世界観と、その中で展開される王道バトルが最っ高です。
氣の属性相性とか、いかにもジャンプって感じでワクワクします。

そしてこの作品の魅力はなんと言っても、多彩で愉快な登場人物たちの存在です。

私の推しは断然佐切ちゃんですね。
戦うタイプのヒロイン、山田浅ェ衛門佐切。
死罪人である忍の画眉丸の監視役として、共に島の探索に当たることになった若き女剣士です。
剣士としての実力は申し分ないものの、女性らしく繊細で、甘さの抜けきらない性格を他者からもたびたび指摘されています。
そんな彼女ですが、仲間たちとの出会いや島での戦いの中、迷い、悩み、傷つきながらも、最後には剣士として、人として、大きな成長を遂げていきます。
下手すると画眉丸より真っ当に少年漫画の主人公やってる気がしないでもない。
同性ということもあって、自然と応援したくなるようなキャラクターでした。見た目はクール系美少女、性格は真面目、だけどちょくちょくポンコツっぷりを見せてくれるのも可愛い。
蓮戦での士遠との「二輪月」には痺れました。(効いてなかったけど。)

画眉丸も格好良いし、かわいいし、もう主役二人からして完全にこちらを萌え殺しに来てます。
奥さんとお幸せに!!

特に人気が高いキャラクターは確か、杠と士遠でしたっけ。
これは納得です。異論なし。
私は菊花と桃花も好きです。ビジュアルも関係性も滅茶苦茶刺さります。
男性キャラなら十禾さん。あの手のキャラはアニメで声と動きがつくとより魅力的になるタイプなので、今から登場が楽しみです。

というか、出てくるキャラクターたちみんな魅力的なので、嫌いなキャラがいません。
作中で酷いことやってるシジャや蓮も、最期のシーン見ると許したくなっちゃいますし。
これって結構すごいことだと思います。
あくまで個人的な意見ですが、本当に、不快なキャラクターは一人もいないです。里長はまあ、嫌いな人の方が多いかもしれませんが。
誰かしら、共感できる点や同情できる点があって、いつの間にか感情移入して愛着が湧くようになっています。恐ろしい。

そして、どれだけキャラが立っていようが死ぬときはあっさり死ぬのがこの漫画のポイント。
最後まで誰が生き残るのか分からないので、連載中はずっとハラハラしてました。付知くんが死んだ時は完全に予想外だったのでしばらく凹んだ記憶があります。
欲を言うなら典坐や棋聖ももっと見たかった。

アニメを見た原作未読勢の方々が、衛善殿の退場の早さに驚くのが今から楽しみです。

エピソードとして特に好きなのは典坐、ヌルガイ、士遠周りです。良かった…ラスト二人とも生き残ってくれて……!

書きたいことはまだまだありますが、とりあえず今日はこの辺りで。
アニメ本当に楽しみです。