『グリム童話集 下』 | 本の虫凪子の徘徊記録

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新しく読んだ本、読み返した本の感想などを中心に、好きなものや好きなことについて気ままに書いていくブログです。

【再読】  『グリム童話集 下』佐々木田鶴子訳 岩波少年文庫

 

昨日に引き続き、グリム童話を。

こちらの下巻にも、全部で二十五編が収録されています。

 

以下、内容についての記載あり。未読の方はご注意ください。

『赤ずきん』
いくつかバージョンがありますが、こちらは狩人がオオカミの腹を裂いて赤ずきんとおばあさんを助け出したあと、「オオカミと七匹の子ヤギ」同様、代わりに石を詰めるパターンです。


『こびとのくつ屋』
くつ屋さんが夜眠っている間、こびとたちが代わりに仕事をしてくれるお話です。羨ましい。


『灰かぶり』
言わずと知れたシンデレラ。魔法使いは登場せず、ハシバミの木と鳥たちが灰かぶりをサポートしてくれます。姉二人が靴(ガラスではなく純金製)を履くために親指や踵を切り落とすバージョンです。


『ワラと炭とそら豆』
ワラと炭とそら豆が旅に出る話。ワラと炭は死にます。


『ヘンゼルとグレーテル』
こちらも有名ですね。ケーキの屋根に砂糖の窓、絶対ベッタベタだと思います。


『金のガチョウ』
こびとに親切にした男が、金のガチョウを手に入れ、幸せになるお話です。


『ミソサザイとクマ』
ミソサザイとクマの喧嘩が、鳥や虫VS獣の戦争に発展するお話。勝ったのはミソサザイ。


『森の中の三人のこびと』
継母にいじめられていた娘が、こびとたちに親切にした結果、王妃にまで出世するお話です。


『ガラスびんの中のばけもの』
賢い若者がガラスびんのに封じられていた魔物(メルクリウス)とうまく取り引きし、傷を治したり物を銀に変える力を持つ不思議な布切れを勝ち取りました。『アラビアン・ナイト』にも似たような話がありましたね。


『三枚の羽』
国王の三人息子のうち、ぼんやり者の末王子が、羽の導きとヒキガエルの助けで父王の試練を突破していくお話です。


『ヨリンデとヨリンゲル』
ヨリンゲル(美青年)が、魔女に連れて行かれた恋人のヨリンデ(美女)を取り返しに行くお話。


『三つのことば』
スイスの伯爵子息が、犬語・鳥語・カエル語を駆使して法王になるお話です。


『金の鳥』
金の鳥の他、金の馬や金のお城も出てきます。
誠実、と見せかけてキツネの言いつけをことごとく無視して窮地に追い込まれていく末王子にはビックリです。それでも助けてくれるキツネ(中身は別の城の王子)にもビックリ。私だったら怒っちゃいそう。


『まずしい人とお金持ち』
神様に親切にした貧乏な夫婦は祝福を受けて幸せに暮らしましたが、けちな金持ちの方は欲のために散々な目に遭います。


『名人の四人兄弟』
それぞれ泥棒、星占い師、狩人、仕立て屋としての道を極めた四人の兄弟が、協力して竜にさらわれた姫を救い出し、褒美として国の半分を貰って仲良く幸せに暮らすお話です。


『ロバの王子』
ロバの姿で生まれた王子のお話です。最終的には人間の姿に戻ります。


『悪魔のすすだらけの兄弟』
ある兵隊の男が、七年間地獄で悪魔の下男として働き、その後出世して王様になるお話です。地獄なのに働いたぶんのお給料は出るんですね。しかも結構高給です。


『千匹皮』
亡くなった妃に似ているからと、実の娘を後妻にしようとした王様には驚きます。それを聞いて逃げ出した姫が、別の国の王妃になるまでのお話になります。千匹の獣の毛皮で出来たもじゃもじゃマントがトレードマーク。


『ゆうかんな仕立屋さん』
ハッタリで大男を倒したり一角獣を捕まえたりする仕立て屋さんが強すぎる。肝の座りようが尋常じゃないです。


『六羽の白鳥』
呪いで白鳥に変えられた六人の兄王子と末のお姫様のお話です。兄たちの呪いを解くため、何年も沈黙を保ち続けていた姫の健気さが立派。メンタル強いなあ。


『かしこいお百姓の娘』
頭の良すぎる百姓娘のお話。これは王様が惚れるのも納得です。イイ女。


『ハチの女王』
三人兄弟の末王子が、命を助けたアリやカモ、ハチの手助けを受けてとあるお城の石化の呪いを解くお話です。


『マレーン姫』
愛する人への操のために真っ暗な塔に七年間も閉じ込められ、出てからも貧しく苦しい暮らしを強いられたマレーン姫。一途で健気すぎて泣けてきます。幸せになってくれて良かった。
偽の花嫁が首を刎ねられたのはちょっと可哀想でした。


『星の銀貨』
信心深い女の子のお話。天涯孤独でお金もなく、着ているものの他には貰い物のパン一つしか持っていないのにも関わらず、乞われれば何でも人にあげてしまい、最終的には肌着まで他の子どもにあげてしまいました。
降ってきた星が銀貨に変わり、彼女を助けます。


『ふたりの兄弟』
少し長めです。双子の狩人の冒険話。弟は竜を退治してお姫様と結婚する王道主人公で、兄はそんな弟の窮地を颯爽と救う役回りです。お供の動物たちのわちゃわちゃした感じがかわいい。

以上、二十五編でした。

一つのお話が短いぶん、サクサクと読むことができます。昔は『悪魔のすすだらけの兄弟』『千匹皮』『マレーン姫』『二人の兄弟』が特に好きで、そればかり繰り返して読んでいました。

 

本日も良い読書時間を過ごすことができました。

それでは今日はこの辺で。