【漫画】張六郎『千年狐~干宝「捜神記」より~』六,七 | 本の虫凪子の徘徊記録

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【初読】  張六郎『千年狐~干宝「捜神記」より~』六,七 MFコミックス フラッパーシリーズ(KADOKAWA)

 

こちらは以前のブログで書いた『千年狐』の続きです。五巻から始まった神異道術場外乱闘編が完結しました。

それでは、感想をつらつら書いていきたいと思います。

 

以下、内容についての記載あり。未読の方はご注意ください。

六巻はとにかく娟玉(表紙の女の子)が可愛いです。顔合わせのときの反応から、廣天のことを男と勘違いしているのでは、と思っていましたが、女の子だと分かった上であの反応だったんですね。恋というより推しを前にした重度のドルヲタみたいな反応です。可愛い。

鼠だった周南と、謎の人こと楊さんの回もそれぞれ面白かったです。楊さんと雷神のエピソードは普通に良い話でした。雷神の見た目のヤバさはさておき。
一ページだけでしたが、陽や懐かしい宮廷の人々が見られたのも嬉しかったです。

終盤でお爺さんに聞き込みをする際の、廣天の野菜の買い方がオシャレすぎてツボに入りました。何ですかそのポーズ。そしてこの時の髪型が一番好きです。一巻の表紙と同じ髪型。これが一番廣天という感じがします。次点は典風との易勝負の時の髪型です。あれも可愛かった。

そして、前から思っていましたが、伯くん滅茶苦茶博識ですね。

七巻の前半は商荘の過去編です。彼を前に廣天が推理と仮説を述べていく流れは、阿紫さまの時とほぼ同じですね。
山に消えた商荘の奥さんを探す後半部分では、道士たちも勢揃いします。前巻で勝負した三人に加え、すっかりマスコットキャラと化した典風やヘタレの黄。出来た使用人の如知さんも一緒に捜索してくれます。
山歩きガチ勢の商荘を上回る奥さんの身体能力、凄いです。そして頭も良くて美人。ただ若干コミュニケーション能力に難がありそうなので、人好きのする商荘と足して二で割ったら丁度良さそうです。この二人、きょうだいとしか明かされませんでしたが、おそらく双子でしょう。わざわざ平仮名で表記しているのは、どちらが姉なのか兄なのか分からないから、ということを表しているのだと思います。それにしても顔そっくりですね。

そして、この捜索の途中でようやく、医者の正体が明らかになりました。
あれには驚きです。まさかあの時の妖眚の子だったとは。素顔は父(母?)の萬祥と瓜二つで、個人的に好みのタイプです。カバー裏で大活躍していたのはこっちの方かもしれません。
よく思い返してみると、医者の正体に関するヒントは、作中の随所に散りばめられていたように思います。同じ巻の中で、「本妻と妾が同じ家にいても普通」と発言して神木に引かれていましたが、今思うとあれも、それが許されるやんごとない身分の人間が身近にいた、ということへの伏線だったのかもしれません。

医者と話しているときの廣天は少しだけ表情豊かになるというか、素っぽい反応を見せてくれんですよね。最終話では特にそれが顕著でした。同じ妖眚で、正反対の扱いを受けて育った二人、お互いに色々と思うところもあるのでしょう。

廣天と神木、医者と伯くんのチームが本当に好きだったので、ラストで別れてしまったのは残念でした。またいつかこのチームが復活することを期待しています。

新章も楽しみです。
それでは今日はこの辺で。