【漫画】荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』第1部 | 本の虫凪子の徘徊記録

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【再読】  荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』1~5 集英社 ジャンプ・コミックス

 

辻村さんのエッセイに触発され、本日はこちらの作品を再読。

ジャンプ作品の中でも特に好きなものの一つです。

原作の他にも一応、OVA、TVアニメ、小説、実写映画、露伴先生の実写ドラマなど、ゲーム以外の大体には目を通しています。まあファンを名乗っても許されるレベルだと思います。

一番好きなのはやはり原作漫画ですね。荒木先生最高。

 

以下、内容についての記載あり。未読の方はご注意ください。

 

癖の強い画風と「!」と「ッ」の多用による独特の力強さ、そして怒涛のストーリー展開。
もう「ジョジョ」としか表現できないような、他に類を見ない作品です。登場人物のセリフにしろ地の文にしろ、言い回しがいちいちシュールで、画の強烈さも相まって何とも言えない「スゴみ」を生み出しています。
一度見たら忘れられないコマが多く、名台詞と名場面の宝庫です。「迷」とも言えますが。

この第1部「ファントムブラッド」は特に、昔の作品なので若干タッチが古臭いものの、荒木先生の独特のセンスが前面に出ているため、漫画としては常に時代の最先端を行っています。令和の今ですら、明らかに時代の方が追いついていません。はっきり言うとツッコミどころが多すぎるということです。
知り合いの子に貸してあげたら「何これ、意味が分からない。変な漫画」と言われましたが、私も子供の頃に初めて読んだときはそう思いましたし、何なら今でも変な漫画だと思っています。ジョジョの読み方としてはおそらく、雰囲気で何となく読むのが正解です。細かい部分を理解しようとしたら負けです。
ストーリーやキャラ設定自体は割と王道の少年漫画なんですけどね。ただ、画風とセリフ回し、擬音の癖の強さでだいぶ読者をふるいに掛けています。

最初の方で特に印象的な場面は、ジョースター家に来たディオが馬車から飛び降りるシーンだと思います。この部分は、私も初めて見たときには衝撃を受けました。
バン
ドザア!
シャン!
スタッ
グゥゥン
バァーン
この怒涛の効果音。
見開きに擬音のみで描かれています。
物凄いインパクトです。
こんなに格好良く馬車から飛び降りるキャラクターも他にいないと思います。

ちなみに私は、3部以降で登場するDIOよりもこの1部時点のディオ・ブランドーの方が好きです。もう一人の主人公としての側面が強く、ラスボス感は薄め。若いせいか精神的に余裕のない描写が多く、DIOよりも人間味が感じられます。
アニメを視聴してからは、常にセリフが子安さんの声で再生されるようになりました。
吸血鬼化する前から既にファッションが独特です。「ジョジョ」シリーズのキャラのファッションはどれも個性的ですが、ディオ(DIO)は頭一つ抜けている気がします。十九世紀の英国なので若干の野暮ったさはありますが、それでも、そのまま現代のパリコレに出られそうな服ばかり着ています。時代を先取りしすぎです。もう一周回ってオシャレに見えてきました。
ジョナサンの方もまあ紳士とは言い難い格好なのですが、こちらはそれほどダサく見えません。薄着だからでしょうか。不思議です。

1部のキャラクターは敵味方問わずほとんど好きなのですが、その中でも私が一番好きなのはスピードワゴンです。全ての部の中でも一番です。
情に厚く漢気のある三枚目キャラって良いですよね。ポルナレフとかもこのタイプだと思います。
スピードワゴンは読み辛い戦闘シーンを言葉で実況・解説してくれるので、読者としては助かります。

勿論、主人公のジョナサンやツェペリさんも大好きです。ツェペリさんが死んでしまうシーンは、初見では思わず涙ぐんだ記憶があります。

ジョナサンは以降の主人公たちに比べると少しキャラが弱く感じますが、やはりジョジョといったら彼でしょう。原点にして頂点というやつです。勇敢で愛情深く、平時は温厚な紳士ですが、敵と判断した相手には容赦しない、勧善懲悪のお手本のようなヒーローです。
技術よりパワー重視の脳筋ゴリラ型。スタンドも持っていないのに歴代主人公たちの中で一番強そうに見えます。承太郎のスタープラチナとも素手で殴り合えそうです。

ヒロイン・エリナは、成長してからも勿論美人なのですが、個人的には子供の頃の美少女バージョンの方が好きです。垢抜けていない感じが可愛らしい。
ディオにキスされた後、ドロ水で口を洗う場面は作中屈指の名シーンだと思います。
成長後エリナとポコのお姉ちゃんはかなり絵柄が安定しています。どのコマでも美人です。

1部、2部は比較的短く、登場人物も少なめなので物語も綺麗に纏まっているように感じます。複雑なスタンドも登場しませんし。
波紋戦士の戦いを描いた1部、2部の、力のジョナサンから技のジョセフへ、という流れが好きだったので、3部以降波紋が出てこなくなったのは少し残念でした。スタンドも好きなんですけどね。

1部では敵キャラこそ次々と登場するものの、ストーリーは一貫してジョナサンVSディオの構図なので、物語に安定感があります。「ディオを倒す」という本筋がブレないので非常に読みやすいです。一番好きなのは2部ですが、一番多く読み返しているのはこの1部かもしれません。

定期的に読み直したくなる作品です。
コミックス五巻分という長さがまた丁度良いです。一日で読み切れるので。
久しぶりに読みましたが、相変わらず面白かったです。
それでは今日はこの辺で。