この世は詐欺師のための世界 | 永築當果のブログ

永築當果のブログ

ブログを8本も立て、“物書き”が本業にならないかと夢見ている還暦過ぎの青年。本業は薬屋稼業で、そのブログが2本、片手間に百姓をやり、そのブログが2本、論文で1本、その他アメブロなど3本。お読みいただければ幸いです。

 最近買った本「心の病に薬はいらない!」の著者・内海聡氏(内科医)は、精神医療分野で痛烈に現行医療を批判しておられます。

(2016.8.18挿入追記:世界の人口の1.7%しかいない日本に、世界中にある精神科病棟の19%に当る34万床があるほどに、精神診療の分野では過剰診療が行われているのが日本の実態です。)

 その中で “えっ、あの方までが!”というのが目にとまりましたので、まず、それをかいつまんで紹介しましょう。(以下、その要約)


 そもそも精神医療とは何だというと、長年、日本医師会長を務められた武見太郎氏がおっしゃった「精神医療は牧畜業だ!」に尽きます。

 というのは、ヒトを正常な人間と家畜(精神病患者)に区別し、患者を精神病院という畜舎に押し込め、向精神薬という餌を与え、最後は薬害でもって屠殺する「業」であるからです。医者の銭儲けのために政治さえ動かした武見太郎氏でさえ、このような発言をされているのですから、精神医療関係者たち(厚労省・医者・製薬会社)は詐欺師の最たるものです。(要約ここまで)


 だけど、彼らだけが詐欺師ではありません。内海聡氏は、同著の中で次のようにも言っておられます。(以下、引用)


 世界の構造を知ること
…まず大事なことは、この世は詐欺師のための世界であるという認識です。

 これは本質的なことですが、その中身と理由について、(一般の方は)なかなか考えようとしません。「そんなこと言ったら誰も信じられないじゃないか!」というのが一般の方の発想でしょう。もちろんそれは分かりますが、ずっと昔から人間の歴史は真実と嘘が錯綜しているのです。それを思い起こせば、現代にも嘘があふれていることは間違いない事実です。

 これは現代にあてはめれば、専門家ほど詐欺師が多い、第一次産業より第二次産業や第三次産業のほうがより詐欺師が多いという認識が重要になります。精神医学や心理学はその筆頭だろうと私は考えていますが、たとえば…健康食品の良心的な専門家は健康食品は詐欺だらけだと教えてくれます。身体医学であってもそのような点は数え切れないほどに多いでしょう。

 (病気に関して)詐欺に引っかからないコツは、どこの医療機関にもかからないことですが、二番目のコツは名声や人当たり、優しさなどで選んではいけないということです。詐欺師は優しいほどに危ないことはみなさんもご理解いただけるでしょう。それを判断基準にしてはいけません。大事なことは結果「良くなっているか、病院から卒業できているか」によって判断されるべきなのです。

 さらに言えば、このことはすべての業種にあてはまると言えます。

 官僚や政治家、メディアはもはや語る必要もないでしょうが、これらは嘘つきの最たるものです。

 なぜこうなったのかはいくつか理由があるでしょうが、結局突きつめていけば金銭を第一の価値と感じるように洗脳されているがゆえということになるでしょう。

…この世は詐欺師しかいない世界なのですから、喰うか喰われるかしかないです。

 しかし、その弱肉強食の世界は、本当の意味で自然な世界でしょうか?

 私はそうは思いません。肉食獣は自分が必要とする食べものしか狩猟しませんが、今の詐欺師たちは欲望の赴くまま徹底的に搾取してきます。誰かが誰かを騙さないと生きられない世界は確かに理不尽かもしれませんが、動物の世界はすべて騙し合いでもあり、そのうえで不必要な狩猟はしない世界なのです。(引用ここまで)


 いかがでしょうか。大筋ではそのとおりだと思うのですが、小生の思いとは2点ほど捉え方に若干の相違がありますので、それを言わせていただきます。

 先ず1点は「金銭を第一の価値と感じるように洗脳されている」とありますが、小生思うに、洗脳ではなく、銭は麻薬であるからして、銭というものを少しでも使い始めれば、麻薬と同様に強い依存症が生じ、銭がなくなれば酷い禁断症状を呈することになるのであり、銭麻薬で身も心もすり減らされることになってしまう、と言えるのではないでしょうか。


 2点目の「動物の世界はすべて騙し合いでもあり」は、そのとおりでしょうが、そのことと「そのうえで不必要な狩猟はしない」こととは繋がりが不十分です。言わんとするところは、「騙し合いをして、強い動物が弱い動物を狩猟するが、必要な限度にとどめる」ということでしょう。

 このことは、種が違う動物間のことであって、問題となるのは同一種間での弱肉強食です。

 動物の世界においても、同一種の間で、群対群での騙し合い、そして群内での個々の騙し合いがあります。特に、ヒトに次いで知能が高いチンパンジーともなると、ペテン師が登場しますし、群のボス争いとなるとヒト顔負けの権謀術数をとることまであります。

 しかし、チンパンジーは、ペテンにしろ権謀術数にしろ、必要最小限に止め、目的が叶えば敵対者と和解します。これが普通です。

 

 さて、チンパンジーの社会と人間社会では、どのように違うのでしょうか。

 たしかに、チンパンジーの世界でも群対群間で戦争になり、強い群が弱い群に度々奇襲攻撃をかけて相手の群を全滅させることがあります。

 でも、これは人間の森林破壊により、縄張り変更せざるを得なくなったことに起因していて、人類の歴史で度々起こった民族大移動で行われたことと同じ性質のものです。

 じゃあ、チンパンジーの社会で、群内の争いがどの程度熾烈を極めるかというと、力ずくのボス争いとなったときに、最後までとことん抵抗したボスが殺される程度のことです。

 一方の人間社会は、資産家の金による力、法によって保証された資格による力でもって弱者を押さえ付け、切り捨てもします。また、本来は公僕として国民に仕えるべき官僚が、その身分でもって同様のことをします。

 この程度のことは、チンパンジー社会に毛が生えた程度のことですから、あきらめもつきます。


 しかし、文明が発展すればするほどに、これは自由民権思想の高まりとセットになるのですが、「見える力による支配」は許されなくなり、国民主権、人権保障によって、国民は決して権力者によって支配されることなく、自由で平等で、生命・財産が保障され、健康で文化的な生活まで保障されるという理想郷へ向かっている、今はその途上にあるやに錯覚させられています。
 そうした錯覚でもって、“今はいい世の中になったなあ”と国民は喜ばされています。

 ところが、おっとどっこい、実は、権力者によって「見える力による支配」は段々と巧妙に覆い隠されてしまい、取って代わって「見えざる力による支配」が鎌首をもたげてきたのです。

 「見えざる力による支配」とは、内海聡氏が言う「詐欺師のための世界」と同義であり、権力者が、詐欺、ペテン、イカサマ、ドウソを、さも正しいものとして、どんどん流布しだしたのです。

 それを国民は正しいものとして信じさせられる。

 これをマスコミ、学者を使って行うからタチが悪いです。

 本来は学問の自由で保証されているはずの自然科学までが、そうした輩によってねじ曲げられてしまい、「正しい自然科学」はだんだん葬り去られつつあり、「ウソの自然科学」が横行し出しているのです。

 これが国民の健康に関わる医学界においても、「ウソの医学」が堂々と正しいものとして鎮座ましまし、国民は病気でないのに病気の烙印を押され、屠殺される、というのが現状です。冒頭の精神医療しかり、がん医療しかり、高血圧、コレステロールなどなど、皆、「ウソの医学」でもって権力者の銭儲けの道具にされているのです。

 生身の人間をなぶり殺しにして銭儲け。ここまで来ると、狂っています。


 傍から見てみるに、動物界ではまれにしか起きない「共食い」なれど、人間社会では一部の権力者が弱者を順次抹殺していく、これはどうしたことか。そうか、異常増殖した人間どもだから、人員整理をかけているのか。

 宇宙人が地球を見たら、そのように理解するでしょうね。そして、我々庶民・凡人の数段上をいく知能を持った輩が権力者集団にもいることでしょうから、ひょっとしたら宇宙人と同じ理解をしているかもしれません。
 でも、可能性としては、やはり、権力者には莫大な財産が付き物ですから、銭麻薬に深く犯されていると考えるべきでしょうね。

 こうして、何ともおぞましい社会に人間はどんどん突っ込んでいく、そんな気がしてなりません。

 何とも寂しい。動物界で最低の種、ヒト。

 ここらで、ぼつぼつ進むべき道を方向転換せねばならないでしょうね。

 銭をなくせ、高度科学技術をなくせ、というトンデモない主張にも耳を貸す必要もありましょう。

 いずれにしても、価値観の大変革をせねばならない、これを真剣に考えねばならない、そのように感じた内海聡氏の著の読後感想です。