マイリズムで踊れ!! -3ページ目

マイリズムで踊れ!!

自己中心、自己満足。 自己本位に、自己解決。

今だから書けること。

このアメブロを教えてくれたHさんが亡くなった。

1年半も前のことだ。

 

Hさんとの出会いは約10年程前。

僕が最初に就職した会社にて。

入社初日、上着をかけるハンガーをくれたのを覚えている。

 

そんなHさんはとても熱い人だった。

僕のために開かれた歓迎会のとき、

酒も入ってか彼は上司と大喧嘩をはじめた。

「表出ろや!」

「やったるわい!」

あの・・・僕の歓迎会・・・。

何やらすごい会社に入ってしまったと思った。

 

数分後、彼らは仲良く肩を組みながら店に戻ってきた。

何やらすごい会社に入ってしまったと、再度思った。

 

Hさんは僕より一回り以上年が離れているおじさんだが、

なぜか僕を含めて誰に対しても敬語だった。

聞くと、人によって使い分けるのがめんどくさいかららしい。

うーん、変わっている。

何度か友達と思しき人と電話をしているところを見たことがあるが、

その時は普通にタメ口で非常に違和感があった。

 

あるとき、Hさんにブログやりませんか?

と誘われた。

どうやら彼も始めたばかりらしい。

見てみると、さすがデザイナー。

イラストとともに時事ネタなどを書いてたりする。

僕もとりあえずやるかーなんて軽い感じでアメブロを始めた。

お互いの記事のコメント欄で

普段会社では言えないド下ネタなどを書き合ったりした。

 

その後いろいろあって会社の業績が悪化した時、

彼はデザイナーにもかかわらず営業を買って出た。

自ら会社の紹介パンフレットなどをつくり、

仕事の合間にそれを片手に各所を飛び回っていた。

そう、いつでもHさんはチャレンジャーだった。

安定とは正反対のことを常に求めているようにみえた。

波風立ててこそ人生だと信じていた。

そして、その行動力やバイタリティは僕には決して無いものだった。

 

しかし、そんな彼の努力も報われず、

会社の業績は悪化をたどるばかり。

そしてHさんは決断した。

「会社やめます」

僕の給料浮けば、若い人たちもちょっとは長くここおれるでしょ。

そう言って彼は勤続10年の会社をあっさりやめた。

もちろん次の就職先なんて決まってない。

独立してデザイン事務所を立ち上げるという。

 

結局、その数か月後に会社は倒産してしまった。

Hさんはやめた後それを聞いてとても悔しそうにしていた。

 

それから僕はしばらくフラフラしていたのだが、

Hさんはいつも僕のことを気にかけてくれていて、

ことあるごとに電話をかけてきて熱く語った。

デザインとはなにか。

仕事とはなにか。

人生とはなにか。

エロとはなにか。

 

今思えば、Hさんも不安だったのだと思う。

40を過ぎて急に職を失い、

自らフリーランスでやっていかなければいけない。

デザインのスキルこそあるものの、

本当にそれで食べていけるのだろうか。

そんなプレッシャーをかき消すかのように

彼はいつも酒を飲んでいた。

電話してくるときはいつも酔っていて

何を言ってるのかわからなかったり

何度も同じ内容を繰り返したりしていた。

電話は2時間以上に及ぶこともあったが、

そのほとんどの時間は彼が話していた。

 

つづく