台風19号での多摩川に流れる「平瀬川」の氾濫 | 中小企業の知的資産経営と災害対策・BCP

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台風19号は東日本の各地に甚大な被害をもたらしました。そのなかで多摩川に流れ出る平瀬川の氾濫についてレポートします。

 

平瀬川は川崎市を流れ、国道246のやや西側で多摩川に合流する小さな川です。台風19号では多摩川の水位がとても高くなり、平瀬川の水がせき止められて行き場を失う、バックウォーター現象により、周辺に越水しました。

 

普段の平瀬川はとても浅い鯉が泳ぐ穏やかな小河川です。おそらく水深は50cm程度と思われます。

 

このマンションは1階がほぼ天井まで水没し、1人がお亡くなりになりました。

平瀬川からは約80m南にあるところです。

川の南側はやや斜面になっていて確かに水が流れてくる場所です。

しかし、氾濫といっても小さな川です。マンションの天井は約3m。

そんなに浸水深があるとは思えませんよね。

 

なんでそこまで浸水したのかというと、それは地図上マンションの南側にある緑色の帯。

これは土手です!

つまりこのマンション(およびその周辺の民家や中小企業)は、平瀬川とその土手の間にあったのです。

平瀬川から流れ下りてきた水がこの土手でせき止められて、マンションの1階が水没したのです。

 

横からの写真でよくわかります。

土手の高さはマンションの1階以上です。マンション自体も1階が低く作られているのがわかります。建物の高さ制限の関係でしょうか。

 

 

小さな平瀬川がまさか氾濫するなんて、多くの人は想像しなかったのかもしれませんが、やはり土手があるということはその内側まで水が来るということです。

 

災害対策の第一歩はリスクを知ることです。

この場合、普段から自宅や会社の立地上のリスクを知っておけば、いざという時注意を払うことができたかもしれません。

もちろん川の様子を見に行くわけにはいきませんが、平瀬川の水位が普段になく上昇していることはTwitterで報告されていました。

SNSの情報は必ずしも正確ではありませんが、災害が予想されるときは、悪い方に考えて行動することが大切です。