台風15号で被災した横浜市の産業団地に入りました | 中小企業の知的資産経営と災害対策・BCP

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横浜市金沢区の福浦地区

被災したのは、横浜市金沢区の福浦地区の産業団地にある中小企業。京浜東北線の新杉田でシーサイドラインに乗り換え、福浦で降りた海側の地域だ。3つ先の駅は横浜・八景島シーパラダイスである。

9月8日深夜の台風15号によって護岸が数百メートル崩れ、海水が地域の事業所に押し寄せ、400社以上の企業に被害が出た。既に6日が経過した9月14日に現地よこに入った。

 

<数百メートルにわたって崩れた護岸>

 

海水にさらわれたことが空気でわかる

被災した地区に近づくにつれて、海水の乾いた匂いが漂い始めた。各事業所の前にはゴミが積まれている。道路はもちろん舗装されているのだが、海水が運んできた堆積物が乾いて、まるで未舗装であったかのように土ぼこりが舞っている。

 

<奥が福浦駅・手前が海岸>

 

護岸の手前にある大きな樹は根元から折れてしまっている。押し寄せた波の威力を示している。

 

 

破壊とゴミの山

海沿いのリサイクル工場のフェンスが倒れ、壁面が抜けてしまっている。当然中にある機械や資材などは水没しただろう。

 

 

土曜日だったが、従業員がゴミの排出や清掃・洗浄に追われていた。今回は高波だったが、水害で被災するとまずはこの作業が待ち受けている。

 

 

この事務所も壁が無くなっている。奥の倉庫か工場と思われる建物は、壁の低い部分が破壊されているのが見え、内部も被害を受けたのであろう。ブルーシートで隠されていた。

 

 

背の高さより高く積み上げられたゴミの山。小さな子供用自転車が印象的。

 

 

天気は快晴で気温も快適。壊れた護岸の先にはいつものことのように釣り船が出ていた。

 

 

 

水害というと、首都圏では河川の氾濫や都市の内水氾濫のイメージだが、海岸部や埋立地では河川の影響はほとんどなく、むしろ高波による護岸の破壊〜波が地域に押し寄せることを想定した方が良い。高波の場合、浸水もさることながら、波のパワーによる建築物の破壊力を再認識した。

 

高波の防災・減災対策は難しいが、予測はできるので、前日までに移動できる機器や商品・資材等を3階以上や内陸部に退避させるとか、重要書類や情報機器を退避させるなどはやっておくべきだろう。また平日であれば、従業員の早期避難も判断する必要がある。

 

台風が通り過ぎたのが日曜の深夜で、人的被害がなかったことがせめてもの救いであった。