世間はコロナ禍とは言え
ゴールデンウイーク
私は1日しか休みがない
その貴重な1日の今日
藤寺として有名な鳥取県大山町の住雲寺に
夫と初めて訪れた
住雲寺の広い駐車場には 多数の車
藤棚の手前は サツキだろうか
きれいに 刈り込まれている
まるで天から降ろされたかのような
神聖さを感じるのは 藤が寺に属するからだろうか
大きなスピーカーからは
「亡き王女のためのパヴァーヌ」が流されている
たくさんの観光客が 藤の下で憩う
「昔はもっと花の房が長かった」
「藤には クマンバチが来るもんや」
と そばにいたオバサンがしゃべっている
頭をピカピカさせた 住職らしい人が
観光客が 置いて行った空き缶をふたつ
手に持って 片付けている
誰も その人には気を留めず
頭上の藤の花ばかりを見上げている
そう言えば こんなに広いのに
どこを見渡しても きれいにしてある
雑草も生えていない
トイレも 完備されている
何百年生きて来たかわからない藤の巨木も
管理には かなりの費用がかかっているだろう
なのに 「拝観 自由」
住職の喜びとは たくさんの人々に
藤の花を 美しく見てもらうことなのだろうか
コロナ禍で今年も中止になったが
毎年この頃には「ふじ祭り」が開かれるという
まるで 巨人のような藤の幹
ここから四方八方 枝を伸ばし
春には すばらしい花を垂らす
藤棚の下で 3歳くらいの女の子が
シャボン玉を 飛ばしていた
シャボン玉は 風に乗り
藤の花へと 飛び
墓の方へと 飛んで行った
ふと 諸行無常という言葉が
心に浮かぶ
亡き王女のためのパヴァーヌの
物悲しさを含んだ曲のためかもしれない
寺の敷地のすぐ横には
池があり
その畔には 鳥取の女流作家岡田美子の碑があった