言葉のちから | nagarenotokiのブログ

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四季折々、自然の姿に感じること


https://www.youtube.com/watch?v=qcQB-Kl8wak

心が痛い目に遭って
生きる力さえも奪われたように打ちひしがれて
重い足取りで うちに帰った
ドサッと体を投げ出した私に 一冊の本が目に留まった
タイトルは「夢は叶うもの 思い強ければ」
夢・・・?
打ち砕かれてズタズタになった私に
夢なんてもう消えた
そう思いながらも 本を開いた

 

そこには力強い詩と やさしい色使いの絵があった
「ああ あん時はきつかった
 辛かった ばってん俺ら間違っとらんだった 
 最後にニコッと笑って死ねたら最高たい」
その文字を読んだ瞬間 
涙が関を切ったように流れて嗚咽した
どのページを開いても
あたたかなやさしい言葉に満ちている
ひとつひとつの言葉が光輝いている

この詩画集は両手を失われた男性が
義手を装着して創作活動を行い
世に出された本なのだった
さらに5年前、阿蘇大野勝彦美術館開設という
大きな夢を実現されたのだった

 

言葉によって深い傷を受けた私の心は
いつの間にか あたたかい光に包まれていた
耐え難い痛みもやわらいでいった
言葉は時に ナイフのように心をえぐるけれど
愛を含んだやさしい言葉は
心の傷を癒してくれる
再び笑顔をよみがえらせてくれる
新しい勇気を与えてくれる
その事を この一冊の本は教えてくれた
言葉の力のすばらしさに 感動した

ありがとう・・・ありがとう・・・
湧き上がる思いで一杯になって また涙・・・
大野さんの言葉が その時響いた
「本当の涙は自分の心を清らかにし
 魂を成長させる 
 私の胸の中にも
 涙がいっぱいあって良かった」

そして私の心に ひとつの夢が生まれた
阿蘇に建つ 大野さんの美術館にいつか行くのだ
その時 大野さんに心からの「ありがとう」を伝えたい