いつの頃からか
何かを表現している人を 見るのが好きになった
舞台の上で 可能性を無限に拡げ
歌い 踊り 誰かに成りすまして
演じている人たち
そして彼らを取り巻く 舞台空間を
ワクワクしながら 夢中で見入る
20歳の私がいた
それは 現実から隔離されて
自由にどこまでも 飛んで行ける
目を開けたまま見られる 夢の時間だった
今 長い空白の時を超えて
再び夢の中に 身を置く私がいる
さあ 夢の中の忘れものを
今日も探しに行って来よう
舞台装置を組み立てることを「仕込み」という
ひとつひとつのパーツを 手際よく
演劇関係者たちは 組み立てていく
そこには 俳優たちの姿も混じっている
舞台が済んだ後 舞台装置を
片付けることを 「バラシ」と言う
そんな仕事を ほんの少しだが
手伝える時・・・
それも 私にとっては
至福の時となっている
今夜の夢は 東京芸術座「蟹工船」
夢というには あまりにも過酷で
悲惨な現実を見せられましたが、
知っておくべき 大切なメッセージが
込められた舞台でした。