その花と風は いつも一緒だった
蕾から開花をそっと見守る風
やさしく吹いて 花をそよがせる風
時には 大きく花を揺らして
まわりの自然を 見せてくれる風
花と風は 光の中で遊ぶ
微笑みながら 楽しい時間を過ごす
そして 夜風に包まれて
月の光を身に受けながら
静かに花は 眼を閉じる
ある日 風は
いつもと姿を変えてやって来た
天からの指令で 風は最強の風力を
地にもたらさなければならなかった
風も耐え難い痛みを
心に感じながら
仲良しだった花を襲う
突風となって 吹き荒れる風に
花びらは散り
茎は倒れ 息絶える
でも 花はわかっていた
いつか その日が来ることを
それが 自然の成り行きなのだということを