
「ポポ、散歩に行こうか?」
「ワンワン!行く行く!早く連れてってよ!」
飛びつくポポにロープをつないで 外に出た
とても暖かい・・・
これでも1月?
ジャンパーを脱いでもいいくらいだ
そうだ 川に行こう
ポポ、おいで!
「うん!お母さんより走るの速いよ!」
ポポは私の先を元気良く走る
道も覚えていて 得意げに
私を川辺に連れて行ってくれた
「わぁ・・・水がキラキラ光ってる。
お日様が水の中にもいるのかなぁ?
きれいだね、お母さん」
私とポポは さざ波きらめく水辺に下りた
たくさんいた水鳥たちは
突然犬と人間がやって来たので
驚いたようにバサバサと飛び立った
その後 水の中を泳ぐ不審な影がふたつ
それは大きな野ねずみ・・・ヌートリアだった
「ポポ、おもしろいものを見たね。」
川辺は緑が目にしみる
柔らかい 生まれたての草たち
「草がとっても気持ちいいよ。
草と仲良しになろっと!」
ポポは草とたわむれ


草の香りをクンクンと嗅ぐ
春の香りがするのだろう
もうすっかり春が来たみたい
うれしくて ポポと弾むように草の中を歩いた
でも まだ1月半ば過ぎ
ポポ 雪が降ってまた寒くなるけど
春がもうすぐ来るのは 知っているものね
晴れたらまた 川に行こうね