バンコク在住のじゅーざです ![]()
以下、本題です。
これらのすべての国の港に中国の影が忍び寄っている。
港湾の建設や運営を行っているのは招商局集団や中国遠洋海運集団(COSCO)といった中国の国営企業で、「グローバル・ターミナル・オペレーター」と呼ばれる。こうした企業による活発な港湾開発は徐々に成果を生み出している。
2011年、招商局集団はスリランカのコロンボ南港のコンテナ埠頭建設プロジェクトを落札した。招商局集団が建設費の85%にあたる5億元を出資し、設計、建設、運営、管理までを掌握した。2012年に418万TEUだったコンテナの取扱個数は、2016年には573万TEUと37%の伸びを見せている。
ギリシャのピレウス港も、やはり中国の息がかかっている。COSCOは2008年に同港のコンテナ埠頭(2号と3号)で35年間の運営権を取得し、2010年から運営に乗り出した。2012年に273万TEUだったコンテナの取扱個数は、2016年に373万TEUまで増えた。2012年比で、やはり37%の伸び率である(数字は国際港湾協会)。
新興国は、軒並みコンテナ港湾の整備を急いでいる。2015年から2030年までの世界の港湾インフラ需要は年間4.3兆円が見込まれるという(日本の国土交通省)。そこに中国が多額の資金をつぎ込み、各国の港を着々と“手中に収めている”状況だ。
■円借款の支援でベトナムの大深水港が開港
日本も手をこまぬいているわけではない。今年(2018年)5月、ベトナム・ハイフォン市で深水港「ラックフェン国際港」が開港した。ベトナム北部では初となる大水深バースを有するターミナルで、1.4万TEU型のコンテナ船を受け入れられるようになる。
建設資金の一部は円借款で賄われた。円借款は、日本政府からJICA(国際協力機構)を経由して発展途上国に貸し付けられる長期・低金利の資金だ。国際協力JICAの担当者によれば、日本とベトナム両国の戦略的パートナーシップの下で実施された初の官民連携案件だという。
港湾および港湾へのアクセス道路や橋梁などの整備には円借款を活用し、港湾の運営は日本・ベトナム・台湾の合弁企業が担う。コンテナターミナルの運営を行うのは、商船三井、伊藤忠と台湾のワンハイラインズ、そしてベトナムのサイゴンニューポートの日本・ベトナム・台湾の連合体である。従来、日本のODAはバース建設など土木事業にとどまっていたが、民間が運営に乗り出せば長期的なビジネスを生むことにもなる。JICA担当者は「同様の官民連携の事例は今後も出てくるだろう」と語る。
■「一帯一路」構想に組み込まれるベトナム北部
だが、ラックフェン国際港に将来、中国の貨物が積み上がる可能性も出てきている。
ベトナムが北部における国家輸送計画と、中国の「一帯一路」構想をドッキングさせる形で、「両廊一圏」という輸送インフラ建設計画を進めようとしているのだ。
中国の昆明市と南寧市という2つの都市から、ラオカイとランソンという国境の町を経て、ハノイ経由でハイフォン市のラックフェン国際港に出るルートがそれだ。
中国と国境を接するベトナム北部は、東南アジアのゲートウェイとして中国が注目する戦略的エリアである。「両廊一圏」は、経済発展から取り残されたチベット自治区、雲南省、貴州省などから貨物を海外に送り出せるルートにもなる。
習近平政権は「中国の夢」を実現するために国際競争のイニシアチブを握ろうとしている。その実現のためには、中国企業に国際市場を開拓させる必要がある。今後、中国・ベトナムを結ぶ輸送インフラが整備されれば、「メードインチャイナ」製品がどんどん南下し、ラックフェン国際港に送り込まれてくるだろう。
ラックフェン港は全体の計画である16バースのうち2バースが円借款で造られた。だがターミナルの拡張計画の中で、今後、中国資本が入ってくる可能性は大いにある。
■後発組の日本勢は何をすべきか
日本は2013年からインフラシステムの輸出戦略を本格化させた。「中国を意識したものではない」としつつも、「できるだけ新興国の運営需要を取り込みたい」(国土交通省港湾局産業港湾課国際企画室)と意気込んでいる。
日本が港湾の運営権を握ることになれば、係船料、荷役料、施設利用料などで潤うことになる。
三井物産戦略研究所主任研究員の栗原誉志夫氏によれば、日本と組むことは相手国にもメリットがある。日本の融資は中国よりも“安全”だからだ。スリランカのハンバントタ港は中国から過剰な融資を受けた結果、債務が膨らみ、運営権を差し出すことになってしまった。また、「中国に、所有権や使用権を長期にわたり設定されると、将来の運営がきわめて不安定になる」(港湾管理運営会社の幹部)おそれもあるという。
一方、港湾行政に詳しい専門家は、「日本は国際港湾全体のデザインを描き切れていない」と指摘する。「日本の港湾運営の国際戦略は遅きに失した」(都内私大の名誉教授)という批判もある。
では、どうすれば日本は新興国の港湾で存在感を高められるのか。「後発組の日本勢としては、コストを下げ、効率を上げ、顧客を確保しつつ定期航路増やしていくという実績の積み上げが必要となる」と前出の栗原氏は指摘する。海外展開の実績こそ少ないが、日本国内の港湾運営は、効率的なオペレーションや通関の速さ、作業の確実性で定評があるという。
そんな中、今年、日本の事業者が海外の社会資本事業に参入できる法案が通常国会で可決した。法律改正を含め、日本は海外展開する体制を整えつつある。今後の行方を注目したい。」
お後がよろしい様で…
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