翌日はよく晴れていた。
昌幸は一度福岡の実家に戻ると言うことで同じ車に同乗して帰った。
帰りの車中で恒例となった、末代様や上義姫様とのデイスカッションが始まった。
「末代様御教授下さい。
『地球』とは、何で出来ているのでしょうか?」
『地球とは「地球神界」と提えなければならない。
「地球神界」は三元から構成されている。
・神界(地球管理神、人祖家祖神界)
・現界(人間並びに生きとし生けるものの住む所)
・霊界(人霊界、動物霊界、自然霊界等)
これらは、我々の周囲に観えるもの、観えない暗黒物質、暗黒エネルギー等が渾然と存在していることと同義である。
厄介なのは、霊界である。
霊界は肉体を離れた「霊体」で存在する。
霊体の魂物比率の物は、その脆弱な「体」の中の「思い」は、現界当時と同等で減殺はない。
やがて現界の枠が外されたことにより、さらに強くなる。
体と離れて、さらに思いが強く凝縮し、「思凝」となる。
初期、人霊界に「幽界」はなかった。
「悔し残念」の発動が人霊の魂を曇らせ重くした。
かかる禊祓いは、人霊界では機能しない。
やむを得ず親神様は、人霊界に付帯する「幽界」を魂の穢れを精算する特区として創設されたのである。
だが自在時代の神界戦争による神々の統治を離れた幽界は思凝迷妄を制御する術を失った。
そして今や、現界に於ける不条理のその大半の原因は、かかる幽界から発生する「悔し残念」の仇(あたん)にあるのだ。』
「我々生宮はどうすれば良いのでしょうか?」
『既に用意はすませている。
今、働きを増した宮がある。
それは空間之宮である。
そなた達が知らぬ所に2つの空間之宮がある。
第一源流空間之宮と第二源流空間之宮である。
五味家は第三源流空間之宮で、合計3つの空間之宮が、働きを開始している。
月の裏側。
月の妖気の発現するところ。
絶対蔭根元界のタテカエ・タテナオシの具体的な主要命題、それが「ミロク下生」であった。
これの順行に欠くべからざるものが、根元初動の歪みから、初期の想定外に発生した障気の解消救済にある。
ビックバン宇宙に膨大に充満し地球神界に殺到しているかかる救済念を、一旦、月の裏側に収容する。
自身が発生させた悔し残念が憤怒となり悲哀となり、為に幽界の迷妄の淵に沈んだ魂達は、その神統霊統は必ず、第一、第二、第三源流のいずれかに属する。
ここに3つの空間之宮の働きの意味するところがあるのだ。』
「有難うございます。
つまらぬことをお訊ねいたしますが、『自動書記』の時に左手、あるいは右手で咲良が書いておりますが、あの左右には何か意味があるのでしょうか?」
『ある。
人間の脳には左右で働きが違う。
その脳の指令は各々の首によって反対側の手足に指令される。
よって、人間の神の意を受けることが出きる右脳の場合は、正しい神の意思として左手で書かれることになる。
その反対は真の神の意思では無いこととなる。
幸一殿、よく覚えておられよ。』
「何故、右脳、左手が真の神なのですか?」
『浄め周回は全て左回りのはずだ。
左回りは開放。右回りは締。
である。
そなた達、水道水を出す時どちらにひねる?
ドアを開ける時にどちらに回す?
考えてみられよ。
地球の公転も自転も全て左回りと言うことを知っているか?』
「なるほど・・・。」
「サンゴ姫様は何故に八百八光之大神様を御使いになられたのですか?」
『龍体神界、地球管理神界の神で唯一、八百八光之大神だけが体が光の粒で出来ていて、体を自由に変形出来て、捕らえようがないからだ。
天体思凝みたいな捕らえようが無い相手と戦えるのはこの地球管理神の中には他にいない。』
無事に帰宅した幸一は疲れを感じていた。
「パパ!上が
『その疲れは魂の疲れだから、魂磨きはきついものよ!』
といわれてます。」
と咲良が言った。
「咲良は疲れていないのか?」
「はい、とても今日は清々し気分です。」
「ふん、いい気なもんだ。」
数日後、咲良に友香から連絡が入り、昌幸の結婚が決まったとの報せが来た。
「改めて御礼に伺います。」
との昌幸からの伝言も伝えられた。
(つづく)