坐骨神経痛も、初期の段階なら自分で治せます。 |   東洋の知恵=鍼灸

  東洋の知恵=鍼灸

  鍼灸に携わって40年。東洋の医療について、少しお話ししたいと思います。

坐骨神経痛を悪化させない為の対処法。

          



坐骨神経痛は、片側の臀部の一点・坐骨点から大腿、下腿にかけて鋭い痛みが走るのが特徴です。原因の分からないものもありますが、ほとんどは椎間板ヘルニアをはじめとする腰痛症が関係しています。

椎間板ヘルニアやすべり症などを、きちんと治さないで放って置くと、疲労や冷えをきっかけに坐骨神経痛が発症します。痛みが臀部や大腿部後側にあって、膝下まで来ていない時は比較的簡単に治りますから、早めの手当てをして下さい。

この時点で、痛いところを押したり、叩いたりしないで下さい。マッサージも駄目です。何かしていないと辛いのは分かりますが、痛みが紛れるのは、その時だけです。坐骨神経が興奮して、益々、病が深くなります。

もう一つ注意して欲しいのは、冷やさない事です。坐骨神経痛になる人は、大体、腰の辺りに大汗をかきます。下着が、びっしょり濡れた状態で冷房にあたると、冷えは何倍にもなります。汗取りの厚手のタオルを一枚腰に入れるだけで、大分違います。

また、温める事は良いのですが、お風呂は駄目です。風呂に入ると温まって痛みが緩和されるのですが、楽なのは入っている時だけです。冷めてきた時に、痛みはもっと強くなります。それは、全身を温めてしまうと、自律的に体温を適温に下げる機能が働くからです。楽になるので、つい長湯してしまうのですが、翌朝は痛みが倍加します。

必ず、患部のみを温めて下さい。臀部中央あたりの坐骨点と腰椎の4~5番(ウエスト辺)を保温していると、一週間位で強い痛みは退いてきます。

しかし、坐骨神経痛が治ったわけではありません。神経の興奮状態が、多少収まっただけです。先ず冷やさない事、そして痛みが出てきたら積極的に温める事は必要です。

さて、この初期の段階の対処が充分でないと、坐骨神経痛は悪化して、痛みはくるぶしの辺りまで下がってきます。

ここまでくると、そう簡単には治りません。

西洋医学では、鎮痛剤、麻痺剤で痛みを抑える対症的な治療が主になります。なお痛みが消えない時は神経ブロックや手術がありますが、ひきつれ感や痺れなどの後遺症が残る場合もあるので、よく説明を聞いて慎重にして下さい。

坐骨神経痛が悪化して、激痛が足くるぶしまで走る時には、「鍼灸」が一番だと思います。

坐骨神経痛は「鍼灸」の最適応症です。置鍼、皮内鍼、灸頭鍼、パルス、刺絡、金の百番鍼、坐刺鍼、圓利鍼など多くの技法と特効穴が有ります。

臀部や大腿部の痛みは比較的簡単に取れますが、足首辺りの痺れ感は、半年以上残ってしまう事もあります。この場合は自宅での「お灸」を勧めています。また、痛みが取れた後、「お灸」をしておくと再発しません。


http://www.nagaohari.com

http://www.facebook.com/nagaohari