令和5年10月31日~12月中旬 長尾泰任
南あわじ市(各漁港)、ほか


釣りに行くと同好の士から声をかけられることがある。

だから、人気のない無名ポイントに人出の少ない時間帯を見計らって出かけていくようになった。

それでも釣り人に会わない保証はないから、やはり行き合えば挨拶くらいはするし、またされる。

場合によっては質問を受けることもある。

よく似た質問を違う人からもされると、「ん?」と考え込んでしまったりもする。

というのも、こちらが当たり前と思って気にもしていないことに疑問を抱く人が案外少なくないのだ。

すると、「そうか、これってレクチャーする前に話しておかないと、うまく伝わるものもなかなか伝わらないのではあるまいか」と逆に気付かされたりもして、なんだか大いに勉強になったりもする。

だから、最近はどんなにつまらない質問にも耳を傾けるようになった。

そこで今回は実釣報告の体はとらず、釣行時の様子等は写真と釣行年月日と釣行場所を記すのみにして、本文は質問されたことについて、ただただ真摯にお答えするというかたちでもって稿を進めることにした。

むろん、少しは釣行時のエピソードなども混ぜ込むつもりではいるが (笑)

尚、使用したライン、リーダーは次のとおりである。

(ライン)
ユニチカ ナイトゲームTHEアジESTER0.2号 0.3号
ユニチカ ナイトゲームTHEスーパーPE SP0.2号
ユニチカ サンプルライン(強靭エステル、低伸度ナイロン、弾力ナイロン) 各種

(リーダー)
ユニチカ スタークU2 0.8号 1号 1.2号
ユニチカ グンター1号
ユニチカ コンパクトショックリーダー0.8号 1号

 

 

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写真は令和5年10月末日に淡路島へデイ・アジングに出かけたときのもの。




この日は、アジングをやっている人が近くに居なくて、そのかわりにサビキ釣りの人が筆者の竿を出す岸壁の並びに数人ほど居て...

 

ちょうど隣りに座って、ウキサビキ仕掛けでアジを狙っていた爺さんが、

 

「そんな仕掛けで遠くまで投げれるもんやなぁ、軽そうやけど」と気さくに声をかけてきた。

筆者は答えて言った。

「今は1gです。でも、ジグヘッドの重さも大事ですが、なにより糸の太さで飛距離に差が出ますから気を使います。」

 

 

この時、エステルの0.2号を用いて主にボトム付近のアジを狙っていたのだが、食ってくるレンジが短い周期で変わるので、重い仕掛けをチョイスしにくい。



なので、今よりもアジが浮いた時のことを考えると、さらに軽くしなくてはならないかもしれないので0.2号にした。

 

0.2号と0.3号では使用感がまるで違う。

必ずしもアジングに遠投は必要ないが、軽い仕掛けを繊細に扱うにはラインは細いに越したことはない。

むろん、釣りは状況を睨んでするものだから、容易に飛距離が稼げて早く仕掛けを底まで沈められる細いラインのほうが重宝すると結論づけて済ませるわけにもいかないが、今回は手返しよくボトム付近をサーチでき、また表層を狙うための超軽量のジグヘッドにも対応可能なエステル0.2号がベストマッチだと考えてチョイスした次第である。

 



ざっくり言ってしまうと、これからアジングを始めようと考えている人には、うちの製品でいうとナイトゲームTHEアジESTER0.2号がお勧め!


ビギナーの場合、漁港の波止や岸壁からの数釣りが目的であるはずなので、サイズも20cm前後くらいだから仕掛けは細くても切られたりはしない。

 

だから筆者は、「軽く竿を振るだけでよく飛ぶ細仕掛けのほうが良い。」とそう考える。

 


 


< 2 >


徳島市で用事を済ませ、その足で鳴門市の友人宅を訪ねたのだが...

 

その日は気分も体調も良くて、おまけに時間も早かったので、

 

よもやま話もそこそこにして、宵の口だけでもアジングを楽しんで帰ろうかと思い、

 

様子を訊ねてみると、「鳴門は豆アジしか釣れない。いっそのこと淡路島まで足を運んでみたら?」と勧められた。

友人は、「東浦に行けば尺アジが出るが、南淡では25cmくらいまでが多い。しかし、南淡は数が出るし、昼夜を問わず長時間粘れば3桁釣りも夢ではないかも?」と甘い言葉で筆者をそそのかした。

特に夕暮れが狙い目だというので、早めに暇を告げて鳴門北ICから高速を利用して、淡路島へと渡った。

 

鳴門大橋を渡れば、釣り場は目と鼻の先。釣り場へは所要時間15分ほどである。



結局、体調面も考慮して1時間半くらいしか竿を出さなかったが、アジが20匹ほど釣れて正直楽しかった。



この時あとからやって来た若い人が声をかけてくれ、話をしているうちに...

 

「シングルハンドルよりもダブルハンドルのほうが良いのか?」と筆者にリールハンドルについて問うて来た。

その日、たまたま筆者はダブルハンドルとバランサーを装着したリールを使ってアジを狙っていた。

筆者は答えた。「巻きがブレないから滑らかなリーリングが可能。また左右のウェイトバランスを考慮するなら、バランサーは装着するに越したことはない。と一般的にはそう言われてるけどね...」

 

実際そうらしいが、筆者は大差はないと感じている(汗)

むしろ、余分な引っ掛かりが無い分、シングルハンドルの方が扱い易いくらいだ。

 

フケたラインが絡んだりすると、その分手返しが遅くなる。

自分的にはシングルハンドルを多用していると答えたが、ダブルハンドルにバランサーのついたリールで現に釣りをしながら語っても説得力に欠ける(汗)

だから、「ただダブルハンドルだと、モチベーションは上がるかもしれない。だって格好いいでしょ(笑)」と続けたが、納得してくれたかはわからない。

 


その後ユニチカからサンプルラインが届き、試釣のため淡路島を再三訪れたが...

 

確かに名だたる釣り場へ足を運ぶとアジが50匹前後は当たり前に釣れてたので...

 

11月から12月半ばくらいまでは主に南淡でデイ・アジング漬けの日々を送った(笑)

 


12月の声を聞いてからは、別のサンプルラインをメバリングで試すことが多くなり、12月中旬を過ぎた頃からはメバル主体になっていったが... 

 

香川県はともかく南淡は海水温をみても年末年始も釣れつづきそうな勢いである。


「思い立ったら吉日!」

興味のある人は出かけてみるとよい。

 

 

< 3 >

 


日中は、夜間に比べ視覚によって得られる情報量が圧倒的に多いため、サンプルラインを試すうえでも、釣れるなら日中のほうが良いに決まっている。



ただ、いくらそうだとしてもアジが釣れないと元も子もないので、試そうとしているラインに丁度よい種類や大きさの魚が安定して釣れるエリアへの釣行が望ましく、そうするとアジなんかは地元香川でコンスタントに数を釣るのは難しいので、わざわざ淡路島まで足を運んでいるという次第である。



サンプルだろうが発売済みのラインだろうが、試したいならそれに見合う魚をたくさん釣らないことには始まらない。

 

その点、南淡エリアはアジングに限っていうと筆者の眼鏡に適った釣り場であった。



実は南淡はアジばかりではなく、冬の季節風を避けてメバルを狙える場所が少なくないので、真冬も通いたいのだが病後で体調のこともあるから無理はしかねる。



むろん、行きたい気は満々なのだが、メバルは地元香川でも釣れるので、自重して遠出はよそうと考えているが、それだって釣りの虫が騒ぎ出すとどうなるかはわからない。

 

なにはともあれ健康第一である。


だから、毎日散歩を欠かさない。しっかり歩いている。





< 4 >

 


ジグヘッドリグで港湾エリアや漁港の岸壁や波止からアジングを行う場合はエステルラインが定番だ。

 

 

筆者も8割はエステルラインでアベレージサイズのアジを狙っている。では残りの2割はというと、それはPEライン。

 

日中はもちろん夜間であっても外灯の照る釣り場なら海面上に這うPEラインが一目瞭然である。


海面に浮いているPEラインの先端の動きを目で見てアワセを入れる釣り方が効果的なときには、その見易さからナイトゲームTHEスーパーPEスペシャルをよく使う。

リーダー部は沈みやすいが、メインラインのPEラインは海面に置いておき易いので、ごくゆっくりなフォールで長くワームを見せて釣りたいときなどにも、PEラインは有効である。



リーダーの種類については、アジングのリーダーの長さはせいぜい50cm以内と短いので、筆者はあまりこだわらない。

 

ナイロンなら「スタークU2」や「グンター」を、フロロなら「コンパクトショックリーダーフロロカーボン」をよく使う。

どちらも1号前後を状況を睨んで結ぶようにしている。

 



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昼間っからアジを狙って連発劇を演じていると、「凄いっすね、ジグヘッドは何gを」と同じ岸壁の並びで竿を出していたヤングから質問された。



12月の暖かい日で、風も弱くて釣りやすかったが、スロースタートで、到着して少しのあいだはノーバイトだったのでダメかなとも思ったが、何かのはずみで俄かにスイッチが入ったようで連発し始めた。

しかも、小アジ混じりに、レギュラーサイズが引きの醍醐味を味わわせてくれるという願ってもない状況で、海面の浮遊物が筆者のちょうど前辺りで方向を変えて沖向きに流れ去っていくのを目にしたときには、正直小躍りしたい気分であった。

海面に潮の変化が見て取れた。この状態のままで有り続けるかは不明だが、良い兆候であるのは間違いない。

ジグヘッドを1gから0.4gに変えて、海中のわずかな潮の変化も見逃すまいと神経を手元に集中して仕掛けを操作した。

軽い仕掛けは微妙なヨレであっても手元にくる感触からその変化を察知しやすい。

底へと引き込まれる潮に仕掛けを送ってやるとレギュラーサイズのいいアジがさっそくヒットした。


良いヨレが見つからないときは手元のラインを送り続けると、ボトム付近で小アジやレギュラーサイズのアジが食って来た。



筆者にしてみると、たまたまこういうラッキーを引き当てたに過ぎないわけだが、数メーターしか離れていないヤングからするとたまったものではない。

 

仕掛けをいじったり、釣るレンジを変えたり、手を講じるにも気が急いて落ち着かない様子であった。


その後も筆者はコンスタントに、ヤングはやっとこさ1匹、2匹…、そんなものだから堪りかねてわざわざ訊きにやって来た。



それが、冒頭で述べた、「ジグヘッドは何gを?」であった。

結論から書くと、それは訊いても意味がない。なぜならヤングと筆者では仕掛けが全く違っていた。

 

実際、ひと目見てわかるほど違っていた。

 


ヤングのラインはPE(アジングにはやや太そう)、ワームはアジング定番のロングワーム、ジグヘッドは明らかに2gはありそうだ。

ちなみに、筆者はエステル0.3号にジグヘッド0.4g+2inchのワームでその時は釣りをしていた。

「今は0.4g」と筆者は答えた。訊かれた以上は答えぬわけにもいくまい...

だから、いちおう答えたが、気持ちがスッキリしなかった...。

ヤングは戻っていくと、さっそく仕掛けを軽くしていたが、その後も振るわない様子であった。

どうせ訊くなら仕掛け全体について訊くべきだし、潮の状況についても、また攻め方についても、ざっとで良いから要点を掻い摘んで訊いておくべきではなかったか。

少なくとも、筆者はそう思う。

 




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少し車を走らせると尺アジが狙えるのになぜ行かないのかと地元の釣り仲間につい先日も訊かれた(これについては折々よく訊かれる)。

淡路島での話であるが、ちょうどアジングのラインの試釣をしているときで、アジのレギュラーサイズといえば、まぁ20cm前後だから、そのくらいのアジを釣って釣って釣りまくって試す必要が筆者にはあったわけで、いつ回遊してくるかわからない大アジなど相手にしている場合ではなかった。

 


だから、東浦を目指して北へのぼるという行動には出なかった。

ちなみに東浦の志筑、塩尾付近では尺アジがよく釣れている。

だから、興味のある人は筆者の分まで、心ゆくまで大アジの引きを堪能して来てもらいたい。

 

アジも青物だから大きいのは引きが半端でない。

 

 

尺といわず40cm級、あるいはそれ以上のギガアジをものにする意気込みで出かけてほしいものだ。

 

 

長く釣りを楽しんでいると、本命以外のゲストが挨拶にくることもあるがそれもまた楽しみでもある。


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来春発売予定のエステルラインでアジングを楽しんでいるとアジがいっぺんに2匹ヒットした。



狐につままれたような話だが、実際ジグヘッドのフックに2匹のアジが食いついた。

最初に食いついたアジの口から出ているワームを横取りしようとして別のアジが鈎掛かりした。

最初に食いついたアジの口の横から突き出た鈎先にあやまって食いついてしまったのだ。

そういうわけで、そのシーンがバッチリ動画に収まった。

実はこの時スマホを三脚に据えて自撮りしていたのだが、「どんなもんじゃい!」という気分でその日の釣りを楽しむことができた。

 



この日は、馴染みのサビキ釣りの爺さんらに、「凄いことやるなぁ、あんた」と褒め囃されこそしたが、人の出が多くなかったので、あとはのんびりアジングを楽しむことができ、精神衛生上もいうことなしであった。



再現してみろと言われても無理な話だが、長く生きて釣りをしていると、こんな奇跡じみたことが起こったりもする。


神様に感謝したい気持ちでいっぱいであった。(^_^)

 

 

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