瀬戸の小物釣り 2

令和7年7月中旬~8月上旬 長尾泰任
釣り場:香川県高松市庵治半島/浜


また別の日。

菜園を通りがかると、「ねえ、この前のキスの天ぷら美味しかったわぁ💞」と野良仕事の手を止めご婦人方が声をかけてくれた。

「地の魚は大体美味しいさ」と答えると、味が忘れられぬと言う。

「あれからのち、うんと小さいのが少ししか釣れなくなったと聞いている...。」

 

「暑いばかりでやってられないそうだ。」そう答えると、

 

「えっ、そうなの。他に何か釣れないの?」と来た。

「まぁ、ベラくらいなら…」と筆者は答えた。

「同じ種類のベラでどちらも美味しいけど、特に青くて大きい雄のほうが刺身も塩焼きも美味い。」

「赤ベラと呼ばれる雌は小ぶりで、でも数は赤のほうが多いのでよく釣れる。」

 

和名キュウセンと称されるこのベラは体色で雄雌の見分けがつく。
 

青ベラが雄で、

 

赤ベラが雌。

 

最初はすべて雌だが、大きくなると雄に性転換する個体が現れる。

 

 


すると、俄に体色が青っぽくなって風格が出る。

この通称「青ベラ」を生きたまま料亭に卸すと、浜値で夏場の今頃だと1匹500円は下らない💦

無論、魚屋に並ぶ活け〆された青ベラも同様に値が張るそうで主婦らもなかなか手が出ないそうだ。

とにかく、瀬戸の小魚は味がいい。

メバル、キス、ベラ、ハゼ、アジ…どの魚も香川産はたいへん美味しい。

 


このキュウセンもキス同様、ちょい投げで狙う。

キスは夜釣りでも狙えるが、ベラは夜になると砂に潜って眠るのでまず釣れない。

だから、日中勝負で浜から陽に晒されながら釣るほか手がない。


キスのちょい投げと同じく竿は竹製。

リールはベイトリール。

 

道糸はユニチカ・ユニベンチャーX8スーパーPE0.8号

 

オモリはフジ・ジェット天秤3号

 

鈎はオーナー・赤スーパーキス6号

 

良型ベラは砂地の根周りに居着きがちでハリスが細いと岩礁に擦れて切れやすいため、ハリスはキス釣りより太めのユニチカ・スタークU2 1.5号を使用した。

 

餌はゴカイを短めに切って使った。

 


仕掛けを沖に向かって投げ、着底後は誘いながら底スレスレを手前へ手前へと寄せてくる。

 

 

仕掛けが根に触れたら要注意。


 

その近くに潜む腹を空かせた青ベラが御馳走のゴカイを見つけやすいよう慎重かつ、丁寧に誘いかけてやるようにすると良い。

 

 

今回は30匹以上釣れたが、出来過ぎの感がなくもない💦

 

 

 


 

冒頭辺りで述べたとおり、ベラは刺身も美味しいが、筆者は塩焼きが好きだ。

だから、今回も塩焼きにして食べた。

例によって、釣ったベラの多くは菜園のご婦人方に差し上げた。

後日、ご婦人の1人から、「釣れたらまた下さいね!」との声を頂戴したが、このように皆さん口を揃えて仰るほど美味しいのが瀬戸の小魚である。

無論、近いうちにまた釣りに行くつもりだ。

 

 

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