井岡一翔の評価に関してですがずっと以前に述べた事がありますが日本ボクシング史上でもトップクラスの実力であると私は思っています。

歴代の日本人世界チャンピオンの中でもはっきりと井岡より強いと思えるのは井上尚弥くらいなものだと思います。

*井岡より強いかもしれないと思うチャンピオンは数名いますが・・・。

 

あるブロガーさんによると的を得ていない批判が多く評価されていないとの事でしたが確かにヤフコメなどを見ると所謂

”下衆の勘繰りともいえるような邪推””でっち上げられたものを鵜呑みにしたもの”も多くいます。

しかし一方でボクサーの人気ランキングでは井上に次いで2位になったという事も聞いていますので皆が皆批判してるわけではないようにも思います。

井岡は何故批判されるのか・・・?

前回のブログで「誤解されるのは誤解される方にも問題がある」と言いました・・・。

事の発端はライトフライ級時代にロマゴン戦を金を払って回避したという事があります。

 

そして「ロマゴンを回避したことが全て。ほかに誰と戦おうとも自分は認めない」と仰せだった熱心なボクシングファンの方もおられました。

 

その方の仰せは一理以上あると思いますしそれ以前にロマゴンを回避した事は誤解ではなく事実です。よって批判は止むを得ないものと私は思います。

その後レベコをはじめ強豪たちと拳を交えたにも関わらず「穴王者や急造ランカーとばかり戦う」などと批判する人も少なくありませんがこれは思い込み、あるいはでっち上げられたものを鵜呑みにしたものでしょう・・・。

 

昨年のWBO王座返上に関してはこれまた以前にも申しましたがブランコとの決着を付けたいがための決断であったと私は思いますが過大評価否かはとりあえずおいといて、非常に前評判の高い中谷潤人との試合を避けたのは誤解されても仕方ない・・・。

WBOに1試合挟ましてほしいと交渉するなりファンに自分の気持ちを伝えるなどをもせずにいきなり返上ではふつうは逃げたと思うでしょう。

この辺りはやり方が不器用過ぎて誤解からの非難が多い貴乃花と私は被るわけです・・・。

 

さらに過去にのロマゴン回避という事実がある以上猶更です。「やはり井岡はそういう奴だったんだ」と思う人が少なからずいても不思議ではないですよね・・・。

 

ただ気の毒な面もあります。

井岡のタイプは柔剛技巧のうち巧の占める割合が多く強さがわかりにくいということに加え、階級も年齢も比較的近い井上尚弥の豪快な倒しっぷりと比較され面白くないと言われることが多いです。

私は巷間言われるほど井岡はパワーレスではないと思っています。

スーパーフライでのKOが2つしかないという人もいますが辰吉丈一郎だって世界戦でのKOはリチャードソン、シリモンコンからあげた2つのみファイティング原田はキングピッチからの一つのみ・・・。

 

ここ10数年で長谷川、西岡、山中、内山、三浦、そして井上尚弥に寺地拳四朗と世界戦で倒しまくるチャンピオンが出てきていますがそれ以前は世界戦でのKOはそんなに多くなく判定決着が(ヤマカンですが)2/3くらいではなかったでしょうか・・・?

 

田中恒成をTKOに下した試合は見事でした・・・。私はこの時井岡の衰えあるいはスーパーフライ級が彼の適正ではないかもしれないという考えから若干、田中が有利ではないかと思っていましたが私の予想は大外れ、見事な健在ぶりでした・・・。

井岡の衰えがなくスーパーフライ級という階級にフィットさえしていれば田中有利の予想はたててなかったと思います(後付けみたいですが)。

 

中谷戦に関してはやはり若干の衰えは感じますので中谷有利と予想をしていますが井岡が健在ぶりを示しても少しも驚きません。

仮に井岡が全盛期であって中谷の評価が過大評価などではなかった場合はどちらが勝つか全くわからない試合であったと思います。

 

井上尚弥を野球のピッチャーに例えると快速球と決め球の変化球でバッタバッタと三振に取るタイプであるのに対し井岡の場合は巧みな投球の組み立てで打たせて取るタイプのピッチャーといえるかなと思いますが実際のところ前者の方が評価が高くなるのは致し方ない・・・。

 

私自身で考えても最近感じたもどかしさが「倒せるのに倒しにいかないように見えた」と言いましたがこれが井上らの試合で感覚がマヒしてるためなのかどうかは正直わかりません。福永戦で試合後に「次を考えて無理をしなかった」といったといわれる事で安全運転に徹しているという思い込みが入ってるかもしれませんがこの辺も井岡は誤解の種を自らまいているようにも思えるわけです・・・。

 

ただ・・・、「勝ったのか負けたのかよくわからない試合が続いている」ということは逆に言えば「多くの世界のトップクラスのレベルのボクサーと互角か悪く見てもそれに近い戦いをしている」という事も言えるわけです。

 

これはちょっとやそっとの実力でできるものではないと思います。

 

やはり井岡一翔は歴代の世界チャンピオンの中でもトップクラスであると言って良いと思います。

ひょっとしたら2位かもしれません・・・。

それだけに誤解(する方が悪い場合もされる方が悪い場合も両方)によって評価されにくいのが猶更歯がゆくもどかしさも感じます。