先月末頃に指名試合に関して私見を述べましたが。付け加えというかPART2というかまた意見を述べさせて頂きます。


 

 

前回のブログから私も指名試合に関して調べましたが指名試合というルールができた背景は格下の組み易いランカーとばかり対戦してチャンピオンの権威が下がることを防ぐためにできた制度ということで他の理由は記されていませんでした・・・。

 

井上尚弥がWBAの指名試合を行わなかったことに関してですが重複しますがタイトル奪取後すぐにWBSSが開催され約2年試合の相手は決まってしまっていました。

それが終わるとWBSSにも出場していたテテを破ったカシメロとの対戦が決まりますがコロナにより、延期そして中止・・・。

ようやくその年の終わりに近づいたころにWBSSに出場していたモロニーと対戦しこれを粉砕。

次戦にダスマリナスはIBFの1位で指名試合として行われてます。

 

そしてコロナ渦が収まるどころか感染者が急増してしまったうえでの次戦はディパエン。彼は格下と言えば格下ですがそれでもランキング5位の選手で当然急造ランカーでもありません。

 

そのあとドネアとの決着戦、そして4団体統一をかけたバトラー戦・・・。

対戦相手の顔ぶれをみてもチャンピオンの権威を貶めるどころか高めているような相手且つ内容でしたよね。

さらに一体、どこでWBAの1位と指名試合を行う時間があったというのか・・・?ということですよね・・・。

 

 

一人、私の意見を

「どうせ勝つんだから指名試合をやろうがやるまいが関係ない」と言ってるような解釈をしてるお〇カさんもいましたがそんな程度の低いことを私は言ってるのではなく井上はすべてのバンタム級の実力者の中で自らの愚行で離脱したカシメロを除いて全員を倒しているということで少しもチャンピオンとしての権威を貶めるようなことはしていないということなのです。

だからこそWBAも井上には警告すら出していない。問題なしと判断したということです。

 

何かと問題が多いWBAですがこの判断は至極まっとうなものだと私は思いますけどね・・・

 

もう一つ明文化されたものは見た事がないのですが指名試合という規則が必要な理由について

「ランキングボクサーにチャンスを与えるため」という意見もあります。

これに関して確かに一理はあると思います。

 

ですが・・・・。

 

1982年ごろと記憶していますが前年に3度目の世界挑戦に跳ね返された村田英次郎にJフェザー級(現スーパーバンタム級)転向のうわさが出た事があります。

その件に関して金子会長のコメントとして

「(Jフェザー級転向は)具体的に話しているわけではないが絶対にないわけではない。ただその場合WBCは敬遠してWBAのタイトルを狙わせる」

というのを聞いたことがあります。

当時のWBCのJフェザー級チャンピオンと言えば言わずと知れたウィルフレッド・ゴメスですよね・・・。

WBAのチャンピオンはバルマと言いましたかアルゼンチンの選手かレオ・クルスだったと記憶しています。

両名ともけして悪いチャンピオンではないのですがいかんせんあのゴメスと比べると旗色は悪い・・・。

要するにゴメスよりは組み易いということです。

名王者であるピントールやチャンドラーと引き分けた村田ですらゴメス相手では勝ち目はないとみて避けるという考えが陣営にはあったということでしょうね・・・。

因みにこの時の村田本人の気持ちはわかりません。

 

要は指名試合が行われなかったことに関しては前回も申しましたがチャンピオン側の都合とは限らないということです。

 

ゴロマキの権藤様という方のブログで仰せであったことですが

強いチャンピオンに対して1位の選手は

「早く俺の挑戦を受けろ」より「早く返上してくれ、そうしたら決定戦に出られる」と思うのではないかとのことでした・・・。

 

これはおそらく人によるのではないかとは思いますが元プロボクサーの権藤さんであれば我々よりも身近にそういった人たちがいた事でしょうし、上記の村田英次郎ほどの名ボクサーでも勝ち目が薄い相手より、少しでも勝つ可能性が高い相手を選びたいと思うボクサーもいるのだと思います。

 

そういえば柴田国明さんも引退後に出たバラエティ番組で「ビラフロア戦が決まった時やりたくなかったんですよ」と語ってました。司会の桂三枝が「なんでですの?」と尋ねると「強いんですよ、ビラフロアって」と答え会場は笑いに包まれていました。

おそらくそれが本音のボクサーはけして少なくないのではないでしょうか・・・?

 

となると井上尚弥というチャンピオンに対してランキングボクサーたちの中で「早く俺の挑戦を受けろ」と思ってるボクサーがどれだけいるのか・・・?想像ですがほとんどいないのではないでしょうか?もしいたとしてもその他多くのランキングボクサーが「早く返上してくれ」と思ってるのではないでしょうか?

 

そしてそんな状況下では交渉は難しくそれならば他団体のチャンピオンとの対戦ということになるのも当然でしかも何度も申しましたがチャンピオンの権威をけして下げるものではない。

 

よってWBAの指名試合を行わなかったことに関しては何の問題もないという事です。

 

もし、「いや俺は挑戦したかった。」というボクサーがいたらそのものが抗議をするなり声明をだすなりすると思いますがそういった情報は一切入ってこない。騒いでるのは外野だけだと思いますが・・・。

 

とくに「強いものをさけて勝てる相手を選んでる」などというものは通ぶりたいだけだとしか私には思えませんが・・・・。

 

 

ただ・・・

村田諒太に関して言えばこれはちょっと違います。

前回も申しましたが多少の同情の余地はあるものの批判は仕方ない。コロナ渦と言っても2年の間に1試合くらいはできたのではないかと思います・・・。水際対策が厳しくなると練習相手にも事欠くミドル級という階級・・・。

気の毒ではあるものの何の説明もないままはく奪どころかスーパーチャンピオンに格上げというのはまったく理解できません。

 

もし1試合でもそれも、チャーロとでも試合を行い勝利していれば私は「指名試合をしてないということに問題はない」と言ってるところですが2年4か月の間、1度も防衛戦を行わないのであればさすがにちょっと・・・。

「多少同情の余地がある」これだけいうのが精一杯でしょうね・・・・。