大相撲5月場所が昨日で幕を閉じ、前半もたついた照ノ富士が後半連勝し12-3で7度目の優勝・・意地を見せましたね。
膝に爆弾を抱えながらも立派でした。
先場所優勝の若隆景も終盤は本来の相撲を取り戻し9勝をあげ大関取りに望みをつなぎました・・。
その他も大栄翔、隆の勝、豊昇龍、琴の若、宇良に加えベテランの佐田の海が頑張り、負け越しはしたものの翔猿なども随所でらしさを見せてくれて、けして悪い事ばかりの場所ではなかったとは思います・・・。
とはいえ大関の体たらくはどうしたものか・・・。
私の拙ブログをご覧になってくださってる相撲ファンの方はご存じの通り私は本来過去の美化が過ぎる自称好角家のたわ言にヘキヘキしています・・・。
例えば「昔の横綱は1場所に3敗（12勝）したら進退問題が浮上していた」とか「昔の大関は11勝以上が普通で最低でも10勝していた」などと平気で言う老人も多くそれを鵜呑みにした若い世代がヤフコメで騒いでいることが多いです。
実際は横綱勝率で0.800（1場所平均12勝）を超える横綱は大横綱と言われ、事実昭和以降で衰える前に現役で死亡した玉錦、玉の海と不祥事で引退した朝青龍を含めて8人しかいません。
大関にしても大関勝率が最優秀である把瑠都が1場所平均9.8勝で勝率0.600（1場所平均9勝）であればＴＯＰ10入りしてる状態です。
いつの時代も横綱大関は理不尽な批判に晒されるものではありますが、この夏場所の大関はそんな優しい私でもさすがに庇えません。
一人が8-7しかも千秋楽足が出そうなところを紙一重で避けてなんとか勝ち越し。あとの二人は6-9に5-10。3人合わせて19勝26敗は酷すぎる。
過去にも複数の大関が負け越した例は2度あります。
1977年の秋場所の魁傑と三重ノ海。2014年九州の豪栄道と琴奨菊。
でもですよ・・・。
1977年秋場所は5大関で旭国が14-1（優勝次点）貴乃花（父）と若三杉が10-5と大関の責任を果たしています。魁傑は肝炎の影響で翌場所は関脇に陥落していますし三重ノ海はスランプではありましたが翌場所は優勝した輪島を気力で破りその一番をきっかけに立ち直り後に横綱にまで上り詰めています。
2014年の九州ももう一人の大関稀勢の里は11-4と大関の責任を果たしており、琴奨菊も豪栄道もこの場所はともかく両名とも大関として輝きを見せた場所もその前に何度もありました。
それに比べ正代は大関昇進後1度11勝をあげましたがそれ以外は3度も皆勤で負け越しがあり来場所は4度目の角番。御嶽海は先場所は11-4でしたが今場所は早速の大敗・・。肩を痛めているとの情報がありますが解説の北の富士さん仰せのように「痛いんだから仕方ないでしょう」と思ってるのではないかと疑われるような内容。
もちろん心のうちはわかりません。違うかもしれません、しかしながらまったく、何がしたいのかわからないような取り口で何とかしようとしてるようには見えない。だったら休場すべきだった筈です。
正代にしても勝った5番や負けたけど千秋楽の激しい相撲からいって体はどこも悪くないと見受けられます。
やる気がないようにすら思えます。
かろうじて勝ち越した貴景勝にしても千秋楽の正代戦では一瞬足が出たのではと思うほど紙一重の勝利・・。つまり負け越していても何ら不思議はなかったということです。
1977年の秋場所を野球に例えると2度の3球三振があったものの5打数3安打1ホーマーというところだとすれば2014年の九州は同じく2度の3球三振があったものの3打数1安打（2塁打）と言ったところではないでしょうか・・？
そしてこの夏場所なら2度の見逃しの3球三振を含み3打数0安打で1度凡エラーで出塁といったところではないでしょうか？
ちょっとここまで酷いものは記憶にないですね・・・。
これでは一部にあります「大関昇進の基準を厳しくすべき」という意見も増えるのも仕方ないでしょう。
ですが私はこれには反対です。
何度も言ってますが「厳しくすればするほど立派な横綱大関が誕生する」などと言うのは日本人特有の悪癖・・。あまりに安直だと思います。もちろん甘くすればいいというのではありませんが程度や頃合いというものがあります。
横綱も大関も機を逃すと大成するどころか燃え尽き症候群になってしまう例の方が多いのは歴史が証明しているといっても過言ではないと思いますよ・・・。
昔に比べ昇進基準が厳しくなっているのに批判の声はネットの影響もあるのでしょうが時代とともに大きくなっているのはその証であると私は思いますけどね・・・。
昇進基準よりも角番制度の見直しの方がまだ良いかなと思います（ほんとは変える必要はないと思いますが）。
例えば1場所勝ち越しで角番脱出ではなく3場所角番が継続するとか年に（過去6場所中）2回の負け越しで陥落とかはどうでしょう？ただし公傷制度は復活させるべきかと思います。