梅田阪急化粧品カウンターでのお買い物の愉悦と帰宅後の【とほほ】 | 大阪の弁護士•長野智子(智聖法律事務所)

梅田阪急化粧品カウンターでのお買い物の愉悦と帰宅後の【とほほ】








久しく百貨店のお化粧品カウンターで買い物をしていませんでした。

3年前に購入した口紅がとうとう底をつき、容器の中をブラシで必死にこそげても、もはや色が出てこない。

そこでようやく観念し、ある日、自分を鼓舞してリップスティックを買いに行くことにしました。


とはいえ、百貨店の化粧品カウンターで“無言で指して買う”というのはほぼ不可能。

美容部員の方と会話をしつつ、提案される色を前にあれこれ迷い、

その視線を感じながら決めるというプロセスがあります。

人見知りの私にとっては、これがなかなかの緊張イベント。


ならば、ネット通販で買えば……という話なのですが、

品番を控えていない限り、同じ色を再び手に入れるのは至難の業。

通販サイトの色味と実物の発色は、だいたい別物です。


そんなこんなで考えあぐねていたある日、

とうとうリップスティックが尽き、

「もう行くしかない」と意を決して阪急の化粧品カウンターへ。


そこで視線を合わせてくれたのは、

背が高く、目が大きく、美しくメイクを施した美容部員の方。

この方にお願いしようと近づいて会話を始めると、

第一印象では女性かと思っていたその方は、

大きな骨ばった手、落ち着いた低い声、喉仏などから、

実はメイクを施した美青年であることがわかったのでした。


これがまた、すごく良かった。


気さくで話しやすく、私の顔色や雰囲気をよく見ながら色を提案してくださり、

気づけば会話も弾んでいました。

ついには軽くメイクまでしていただき、

薄化粧のコツ(ファンデを厚塗りせず、シミはコンシーラーで隠し、あとは粉で仕上げる方法)まで教わることに。


「コンシーラー、確か家にもあったはず。帰ったらやってみますね!」


と意気揚々と帰宅し、

久しぶりに化粧ポーチからコンシーラーを取り出してみると――


ブラシ部分が、ない。

物理的に“喪失”している。


どういう経緯で失われたのか全く思い出せず、

あまりに久しぶりすぎて変質してしまったのか、ただの経年劣化なのか。

娘に話すと、


「なんでそんなことが起こるの!」


とお腹を抱えて笑われました。


それでも肝心のリップは、

色味もよく、香りはミントチョコのようで、

塗るとちょっとした“おやつを食べた後”のような満足感まで得られる優れもの。

久しぶりの百貨店カウンターでの買い物は、

愉悦と【とほほ】が混ざった楽しい一日になりました。