「他人の目に惑わされない、我が子の進路選び」 | 大阪の弁護士•長野智子(智聖法律事務所)

「他人の目に惑わされない、我が子の進路選び」


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受験シーズンになると、つい気になってしまうのが「周りの進学先」です。中学や高校時代の友人、親しいママ友、あるいはSNS上での情報。

「あの子はあの高校から〇〇大学に進んだらしい」

「うちの子も、あそこを目指すべき?」


こうした声は、親としての心配や焦りから自然に出てくるものです。しかし、忘れてはいけないのは、子どもの進路は他人の評価や価値観に合わせる必要はないということです。

1. 入試結果は一人ひとり異なる

昨今は、入試時期にコロナ禍の影響もあり、思うような結果が出せなかった子どももいます。

  • ケース例A:中高一貫校に通うA君は、学校の進路指導では有名大学が目標でしたが、体調不良で第一志望に届かず、少し偏差値の低い大学に進学。しかし、そこで新しい興味を見つけ、学内でリーダーシップを発揮しながら専門分野の研究を進めています。

入試結果はあくまで一時点の通過点であり、将来の可能性を決定するものではありません。

2. 他人の価値観で進路を決めない

「中高一貫校だからこの大学に進むのが普通」「〇〇高校は〇〇大学が多い」といった情報は参考になりますが、それだけで判断するのは危険です。

  • ケース例B:学校内で「理系は国公立、文系は有名私大」といった周囲の価値観にさらされたBさんの娘。しかし娘は海外文化や語学に興味があり、周囲の期待に沿う道ではなく、自分の希望する学部に進学。結果として学問に夢中になり、留学やインターンなど多くの経験を積むことができました。

周囲の「普通」に惑わされず、子ども自身が選んだ道こそが成長につながるのです。

3. 親としてやりがちなNG行動と回避法


NG行動① 「他人の進学先と比較する」

  • SNSやママ友から得た情報を基準に、「あの子が行ったからうちも」という考えに陥る
  • 回避法:進学先よりも、子どもの興味・強み・希望を優先する。進路の目的は「子どもが学びたいことを伸ばすこと」であることを意識する

NG行動② 「偏差値やブランドを過剰評価する」

  • 有名大学やブランド校に行くことが成功の証だと考えてしまう
  • 回避法:入試結果はあくまで通過点。大学の名称よりも、子どもが興味を持てる学部・学びやすい環境を重視する

NG行動③ 「結果だけを評価する」


  • 試験の点数や偏差値で子どもを評価しがち
  • 回避法:努力や挑戦の過程を認める。「挑戦したこと」「興味を深めた経験」に目を向ける

NG行動④ 「周囲の声に振り回される」

  • 「うちの子もあの高校→あの大学に行かせないと…」と焦る
  • 回避法:親が焦っても子どもの進路は変わらない。子どもの意思を尊重し、安心できる環境づくりに注力する

4. 親としてできること

  • 興味を深める体験の機会を作る
  • 目標に向かって計画を立てる手助けをする
  • 結果だけでなく過程を評価する
  • ケース例C:C君は美術が好きでしたが、周囲の評判から理系大学を志望。しかし親が子どもの希望を尊重し、美術系進路も視野に入れるようサポート。結果、C君は希望の美術大学に進学し、充実した学生生活を送っています。
  • 5. 結論

周囲の噂や他人の評価に惑わされず、我が子の個性や希望を尊重する進路選び。

入試結果は通過点であり、子どもに合った学びの場を選ぶことが最優先です。

親として焦る気持ちはあるかもしれませんが、子どもを信じ、寄り添いながらサポートすることが、何よりの力になります。