瀬戸内国際芸術祭を訪れて 〜アートと地域再生の交差点〜
ベネッセハウス 時の回廊
ベネッセハウス「茶室」
草間彌生氏の「南瓜」
先日、瀬戸内国際芸術祭を訪れてきました。直島や豊島、小豆島をめぐり、島々の自然とアートの調和を体験する中で、単なる観光ではない深い学びがありました。
瀬戸芸の成り立ち
瀬戸芸は2009年にスタートし、3年に一度開かれる現代アートの祭典です。その原点は1980年代から続く直島アートプロジェクト。安藤忠雄建築や草間彌生の作品に象徴されるように、島の風景に溶け込むアートが少しずつ増えていきました。それがやがて「瀬戸内の島々全体を舞台にした芸術祭」へと広がったのです。
島の盛り上がり
私が訪れた日も、島の港には外国からの観光客や学生グループ、高齢のご夫婦など、実に多様な人々が行き交っていました。ふだんは静かな島に、アートをきっかけに人が集まり、そこに笑顔や会話が生まれる。その光景に、心が温かくなりました。
昼食に立ち寄った食堂では、おばあちゃんが「芸術祭のおかげで若い人が来てくれるのよ」と笑顔で話してくださり、アートがもたらした地域の活気を実感しました。
瀬戸芸の意義
瀬戸芸の魅力は、アート作品そのものの価値にとどまりません。
- 空き家や古民家を活かした作品づくり
- 島の高齢者とアーティストの交流
- 地元の産業や食文化の発信
こうした取り組みが、「地域を次世代につなげる」という形で息づいています。
法曹の視点から見ると、これは「地域資源の利活用」や「文化を守る仕組みづくり」というテーマにも通じます。芸術と地域社会の出会いが、持続可能な未来をどう描いていけるのか。その問いを、アートは私たちに投げかけているのです。
終わりに
瀬戸内の青い海と島々の風景に抱かれながら、アート作品を通じて出会った人々の笑顔は、旅の一番の思い出になりました。
瀬戸内国際芸術祭は、単なる観光イベントではなく、「人と人をつなぐ場」であり、「文化が地域を生かす試み」そのもの。法律の世界で日々「人や社会の関係性」を見つめる私にとっても、深い示唆を与えてくれる時間でした。






