病院でも、血圧や生化学検査の結果で健康か健康でないかを判断します。
この検査結果、病態の把握を行う際に有用なのですが、正常範囲が決まった経緯を知らないと数値に振り回されてしまう事があります。
そもそも、数値自体人間が決めたもので、時代により数値による「健康」の基準は変化します。
最近だと日本人間ドック協会が血圧やコレステロール値の新基準を提唱しました。
従来の血圧値が130であったのにたいし、新基準では147まで引き上げられるみたいです。
コレステロール値も従来よりも数値が引き上げられています。
今まで、「不健康」の烙印を押され、沢山の薬を処方されていた人たちが一転して「健康」と見なされるのです。
おおまかな理由としては、「新基準程度の数値でも健康的なのがわかった」そうです。
ネット上では陰謀やら癒着やら騒がれていますがそれはさておき…
要は数値上の健康は当てにならないということですね。
また、基準値ができた背景も知ると面白いです。
例えば、二十歳未満の飲酒は禁止されています。
若い時の飲酒は健康に悪影響を与えることが知られており、法的に責任のある年齢までは飲めない様になっています。
では何故二十歳なのでしょうか。
調べると面白いのですが、その背景は、明治に諸外国が成年と定められる年齢が21~25だったのに対し、
「外国より精神的に成熟している」というのが大きな理由だったみたいです。
話が脱線しましたが、この様に、基準値というのは非常に変わりやすく、根拠も実は曖昧なものが多いのです。
数値の基準値ありきで判断するのではなく、個人の数値の特徴や身体所見等も合わせて見る必要があると考えます。