シクラメン ロディウムは3つの亜種に分類されています。
分類が二転三転してレパンダムに含まれていた時期もあり、それぞれの亜種名が付いた種子を播いても、これぞという個体に巡り会うのはなかなか難しかったりします。
学名の変遷については以前のブログに書いたことがあるのでご覧ください。(2010年当時の情報です。)
「原種シクラメン ロディウムとペロポネシアカム」
https://blogs.yahoo.co.jp/nagaikimuranokame/36164915.html
「原種シクラメン ロディウムとペロポネシアカム」
https://blogs.yahoo.co.jp/nagaikimuranokame/36164915.html
うちでも、初花が咲いたくらいでは特徴が見分けられなかったり、亜種の特徴から外れた株ばかりが出てしまったりと、親株の選別に10年以上の時間がかかっています。
そんなこんなで、典型的と思われる花がなんとか咲きそろいました。
いろいろと調べてみると、ロディウムの亜種は形態や産地が異なるだけではなく、亜種ごとに好む環境も違うようです。
いろいろと調べてみると、ロディウムの亜種は形態や産地が異なるだけではなく、亜種ごとに好む環境も違うようです。
①基亜種ロディウム
エーゲ海のロードス島とコス島に自生します。
日陰を好み、松林などの岩が多いところで見られるとのこと。
エーゲ海のロードス島とコス島に自生します。
日陰を好み、松林などの岩が多いところで見られるとのこと。
白~ごく薄いピンク色の花弁で下部はピンクがかった紫色です。
Cyclamen rhodium subsp. rhodium
Cyclamen rhodium subsp. rhodium
②亜種ペロポネシアカム
ギリシャのペロポネソス半島の東北部の一部と南部中央のマニ半島に自生します。
森の中の湿った日陰で、灌木や崖の下などに見られるとのこと。
ギリシャのペロポネソス半島の東北部の一部と南部中央のマニ半島に自生します。
森の中の湿った日陰で、灌木や崖の下などに見られるとのこと。
ごく薄いピンク~濃いピンク色の花弁で下部の赤い部分が目立ちます。
ペロポネシアカムには白花のforma albiflorumもあります。
Cyclamen rhodium subsp. peloponnesiacum
ペロポネシアカムには白花のforma albiflorumもあります。
Cyclamen rhodium subsp. peloponnesiacum
③亜種ビビダム
ペロポネソス半島の東南部(パルノン山脈)に自生します。
森の開けた明るいところで乾燥した場所、岩があったり灌木が生えているようなところで見られるとのこと。
ペロポネソス半島の東南部(パルノン山脈)に自生します。
森の開けた明るいところで乾燥した場所、岩があったり灌木が生えているようなところで見られるとのこと。
鮮やかな濃いめのピンク色の花弁で下部はより濃い赤紫色となります。
Cyclamen rhodium subsp. vividum
10年ほど前の英国シクラメン協会の会報にギリシャのKystery島での調査報告が掲載されていました。その島にはグラエカムも自生していて、そこから数十メートルしか離れていない場所でビビダムと思われる個体を発見したという報告でした。
Cyclamen rhodium subsp. vividum
10年ほど前の英国シクラメン協会の会報にギリシャのKystery島での調査報告が掲載されていました。その島にはグラエカムも自生していて、そこから数十メートルしか離れていない場所でビビダムと思われる個体を発見したという報告でした。
確かに、栽培していてもペロポネシアカムに比べるとビビダムは水切れを起こしにくく「乾燥を好む」というのもうなずけます。ウチでは夏の休眠期にはビビダムは他の2亜種よりも乾かし気味に管理してみています。
シクラメン協会のホームページによると、ロディウムに限らずレパンダムやクレチカム、バレアリカムを含めたレパンダムグループと呼ばれる4種はみな染色体数が同じなので栽培下では雑種が作られやすいのですが、野生では自生地がほぼ分かれているとのことです。
(色々と調べている内に、ロディウムの全ての亜種について、野外で白花が発見されているという記述も見つけてしまいました・・・困ります!)