原種シクラメンとしては高山性のパービフロールムは、暑さに弱いために栽培しにくいと言われています。
うちでは比較的うまく行っているので、その栽培について2回に分けてご紹介したいと思います。


1)春
早春まではよく陽に当てて栽培しますが、春も深まるにつれて徐々に遮光していきます。花後は成育が旺盛ではないので葉を長持ちさせることが優先です。出来れば自生地のように落葉させずに夏越したいので、20℃を超える日が続く頃には日陰に移して出来るだけ涼しくします。


2)夏
自生地では常緑とのことですが、栽培している株は夏の間に葉を落とすものとそのまま維持するものがあります。株の状態により管理方法を変える事が夏越しのコツだと思います。
<葉を落とした株>
日陰の涼しいところに置き、用土がカラカラにならない程度、表面にサッとかけるくらいの水を与えています。コームとほぼ同じ管理です。
<葉を残している株>
半日陰~日陰で風通し良のよいところに置き「乾いたらたっぷり」という一般的な灌水をします。プルプラセンスと同様の管理です。

夏の暑い時期に遮光した環境で成長する葉は、どうしても葉柄が長くサイズも大きくなりますが、それを締めて作ろうと考えずに、とにかく涼しさ優先にしています。
秋に気温が下がり陽に当てられるようになってからは、パービフロールムらしい小さい葉がちゃんと出てくるので心配ありません。
夏の大きい葉を大事にすれば、秋からの成長期にしっかり働いて養分を作ってくれるので、塊茎が早く成長します。夏に出た葉は後に出る小さい葉よりも早く黄変し、3月頃には落ちてしまうことがほとんどです。

3)秋から冬
コームの葉が展開する頃から、夏の間に落葉していたパービフロールムにも新葉が出てきます。この時期からはどの株もコームと同様に扱っています。
気温が下がるにしたがって明るい場所に移し、11月~2月頃は出来るだけしっかりと陽に当てています。

(次回に続きます。)

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この株は花が大きめのタイプです。
コームと比較して、花弁は短く葉柄・花柄ともに太くて短めです。
もちろん特有の強い香りを持ちます。
Cyclamen parviflorum
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