松江市の教育委員会が一度英断した「はだしのゲン」の閲覧制限撤回をしたようです。

この問題は朝日などのマスコミが大きく取り上げ、大阪の橋下さんも教育委員会の独立性の否定だと言及していますが…

この問題も戦争の描写などが過激だという本来の論点ではない部分ばかり取り上げられていました。
例えば子どもの知る権利。
これは教師に許可を取れば読めるということ。

また本来は史実でも無く、作者や当時の連載をしていた日教組の思想や史実でも無い事をあたかも事実のように描かれている事が本来の論点です。
先生の活用方法にもよりますが、この漫画を元に事実だと教える事も出来ます。

また学校図書館に置くのであれば、教育の中立性という部分はどうなのか?

正直、何とも言えない結果です…


【「はだしのゲン」閲覧制限撤回】
賛否渦巻く 「反天皇」記述に学習指導要領違反の指摘も
2013.8.26 22:20 (産経新聞)[westライフ]

 原爆の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」をめぐり、松江市教委が閲覧制限の要請を撤回した26日、関係者の間で市教委の決定への支持が広がったものの、作品に流れる思想や暴力描写から「学校図書として問題」との指摘も根強く、賛否はいまだ渦巻く。一方、作中には昭和天皇をあしざまに罵(ののし)る表現が目立つ。有識者からは「『天皇に対する理解と敬愛の念を深める』とうたう学習指導要領を逸脱している」として、改めて議論を求める声も上がった。

 26日の教育委員会会議は前回会議を上回る約40人の傍聴人が席を埋めた。会議後の会見で、内藤富夫委員長(島根大名誉教授)は事務局が要請の理由とした作中の表現について「過激な描写の問題はあるが、どう教育に使うかは学校の自主性に任せればいい」と指摘した。

 しかし有識者からは異論が上がった。政治学者の岩田温(あつし)・秀明大専任講師(29)は作品について「特定の思想傾向が強い漫画で、歴史学的に間違いがある」と指摘。市教委が当初、過激で不適切として閲覧制限を決めた、旧日本軍の兵士が首を刀で切り落とし、女性に乱暴して惨殺する-という描写を問題視した。

 岩田講師は「旧日本軍の一部に逸脱した行為があった可能性はあるが、まるで軍全体の方針であったかのように描かれている。児童生徒に積極的に読ませる書物なのか」と話した。

 閲覧制限を支持してきた被爆者や被爆2世らでつくる「平和と安全を求める被爆者たちの会」(広島市)の池中美平(びへい)副代表(63)は「原爆の悲惨さを強調するのはいい」と前置きした上で、「作品は非道な原爆投下を日本人の責任にする偏った思想の宣伝道具だ。学校図書とするのは問題だ」と指摘した。

 閲覧制限要請の撤回を支持する声も聞かれた。

 東京工芸大芸術学部マンガ学科の細萱(ほそがや)敦教授(50)は「忘れてはならない歴史を扱った名作で、小説などよりも戦争や原爆投下への理解を深める入り口になる」と指摘。社団法人・日本図書館協会「図書館の自由委員会」の西河内靖泰(にしごうち・やすひろ)委員長(59)は「知る自由を保障するのが図書館の役割。撤回は賢明な判断だ」と評価した。

 作者、中沢啓治さんの妻、ミサヨさん(70)も「うれしい。早く子供たちが読みたいときに読めるようにしてほしい」と安堵(あんど)。元中学の教員で広島県原爆被害者団体協議会の坪井直理事長(88)は「撤回は評価できる」とし、現場の校長や教員に対し「これを機会に作品を読み込み、原爆や平和についての理解を深め、今回のような圧力に負けないようにすべきだ」と求めた。

 一方、作中で「いまだに戦争責任をとらずにふんぞりかえっとる天皇」「殺人罪で永久に刑務所に入らんといけん奴はこの日本にはいっぱい、いっぱいおるよ。まずは最高の殺人者天皇じゃ」「あの貧相なつらをしたじいさん」といった表現があることについて、学習指導要領に照らして問題とする意見が上がる。

 藤岡信勝・拓殖大客員教授(教育学)は「天皇についての理解と敬愛の念を深めると明記する学習指導要領に明確に違反する。『表現の自由』の観点から慎重さは必要だが、このような本を子供が利用する学校図書館に置くことの是非についてもっと議論がわき起こっていい」と話した。


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