天皇陛下のお言葉と安倍首相の談話 (1) | 永松昌泰学長のブログ【ものの道理で人生を豊かにしよう】

天皇陛下のお言葉と安倍首相の談話 (1)

毎年繰り返される靖国参拝問題、歴史観の問題、
今年は安保法案、70年談話、など多くの議論を呼んでいます。


70年談話、多くの議論があります。
さまざまな意見がありますが、


懐疑的な人は、
「キーワードは確かに入っているが、主語が私ではなく引用ばかりで自分の意見がない」
「妥協の産物」、「未来志向をはき違えている」


賛成派の人は、
「よく練られバランスがとれていて素晴らしい」

という意見が多いようです。



私個人の感想は、「安倍さん、精一杯頑張ったね」でした。



安倍総理に対して大いに批判的な私からこのような「好意的?」感想が出てくるとは
意外で驚かれる方も多いと思いますが、
実は正直な気持ちです。


安倍総理の心は、幼い男の子の心です。

つまり、自分が本当には思ってないことを
どうしても無理に言わなければならない羽目になった時の心の状態です。


事の是非はともかくとして、最大限に努力したのだろうと思います。
安倍首相の世界観には賛同できませんが、
彼なりに努力したことは確かです。



安倍さん個人にある戦争にたいしての「反省」というのは、
泥棒が捕まった時に、泥棒をしたことへの反省ではなく、
「捕まらないようにもっとうまくやればよかった」
というレベルの反省なのだろうと思います。


それにはそれなりの理由があります。
日本がやったことは、アメリカ、英国、フランスなどの戦勝国がやったことと
基本的に何一つ違いがないからです。


戦勝国は正しくて、敗戦国は間違っていたのか、
ということになると、
ユダヤ人大量虐殺をしたドイツは次元が違いますが、
他の戦勝国も植民地で多くの民を殺戮や虐待していましたし、
ベトナム戦争や中南米諸国で行ったこと、
そして今なお中東諸国で行っていることは、
本当にどうしようもない、
残虐非道としか言いようのない犯罪行為だと思います。


つまり、日本が反省しなければならないならば、
同様のことを行った米英も同様に反省をしてしかるべきである、
ということです。



正直なところ、私もそう思います。

戦争に負けなかった国の運命は決して明るくありません。


成功しても反省できる人はわずかです。


残念ながら、人間は失敗にしか学ぶことはなかなかできないのです。