おはようございます。 「ものの道理を考えよう」の永松昌泰です。
さてさて、平常(たいらじょう)とかけて、
ナイチンゲールと解く、
その心は?
でしたね。
その心は、
「自分を延長する」、
ということでした。
平常さんは、あらゆることをお一人でやられます。
本当にお一人で、あらゆることをされます。
なんと、場内アナウンスもすべてご自分でされます。
その時には、必ず携帯電話のスイッチをお切りください、
ということも、念には念を入れて言われます。
普通の呼び出し音は鳴らなくても、
アラーム音が鳴ることがありますから、
必ず必ず主電源をお切りください、
と何回も言われます。
また、休憩時間が入ると、
その間に電話をしたりするので、
休憩時間が終わると、再び言われます。
会場で起こりえるあらゆることを想定し、
「想定外」が起こらないように、気を配ります。
そして、平常さんの舞台は、
今までは、完全に独り舞台でした。
何から何まで、舞台に登場するのは、
完全に平常さん以外にはいらっしゃいませんでした。
平常さんの分身である人形、
いやいや、人形の分身である平常さん、
一心同体の一組だけが、
舞台に登場しました。
そして、信じ難いような素晴らしい芸術を創生してこられたのです。
ある意味それは、平常さんお一人だからこそ成し遂げられた舞台だった、
と言っても過言ではないでしょう。
しかし!!!
今回の舞台には、
一気に3人もの黒子が登場したのです。
また、あらかじめ平常さんが入念に録音したナレーション、
平常さんが作曲した舞台音楽!
それをジャストタイミングで操作する係の方。
それらすべてが、完全に一体となり、
まるで平常さん自身がすべてオペレーションしているかのようでした。
すべてが「平常さんの延長」だったのです。
これは、本当に本当にすごいことでした。
「自分を延長する」
これは、世の中で最も難しいことの一つです。
少なくとも私にとっては、本当に本当に難しいことです。
しかし、どうしてもやり遂げなければならないことです。
それを、平常さんは、素晴らしく芸術的にやり遂げられました。
一緒にやり遂げられた、
輪嶋さん初め、ヴォイスファクトリーの方々、
また神奈川芸術劇場の方々、
関係者の方々、
そして、観客の方々、
すべての方々が一体になって創り出した、
奇跡の空間でした。
本当に、すごいものを観てしまいました。