初めての経営者セミナー (2)
こんにちは。久しぶりに1日2回目更新の永松昌泰です。
私は、こう考えました。
哲学しながら生きていくことが重要であるならば、
仕事は何の仕事をしても構わない。
ということは、家業を継ぐということがあらゆる面からベストだ!
そう思い立ち、父に告げました。
あれほど家業は継がない、外国で研究者人生を歩む、
と言っていたのが、研究者をやめ、
実家に帰って家業を継ぐ、と言ったので、
父はかなり戸惑ったようです。
もっとも、その頃父は大きな大病を二重に患っていて、
母がおろおろしていたこともあり、
私が家を継がなければ、という気持ちもあったのだと思います。
ともかく家に帰り、最初に始めたことは、
徹底した掃除でした。
誰に言われたわけでもないのですが、
半年間ほど、数万平米の工場の隅々まで清掃するのが日課になりました。
朝は、新日鐵の工場に入り、現場作業をして、
午後からは自社工場を清掃する。
とても楽しい日々でした。
余談ですが、私は肉体労働が大好きです。
ですので、日雇い人夫をするのが「夢」だったくらいです。
さて、工場の清掃を毎日するうちに、
工場のことが何でも分かってきます。
工場がどのような息遣いで動いているのか、
それが本当に手に取るように分かってきたのは、本当に大きな収穫でした。
もう一つは、毎晩「読書」をしました。
それは、創業以来の決算報告書です。
これは、本当に面白かった!
簿記の知識はゼロでしたが、自分が継ぐ会社のことなので、
いろいろと想像しながら読んでいきました。
そうすると、まるで大河物語のように面白い!
会社の歴史、現在がすべてそこにあるのです!
通常は、決算書なんて最もつまらないものだと思われがちですが、
大違いです。
本当に夢中になって読みました。
経営には、下からの目線と上からの目線の両方が必要です。
掃除による下からの目線と、
決算書の精読という上からの目線とが一つになって、
経営はとても順調に行き始めました。
つづく