デトックスセミナー (2) | 永松昌泰学長のブログ【ものの道理で人生を豊かにしよう】

デトックスセミナー (2)

お早うございます。 「ものの道理を考えよう」の永松昌泰です。


デトックスという言葉はよく聞かれることがあると思います。
de は「分離・除去・否定」で、
tox は「毒性」という意味ですので、
解毒という意味です。

本来の英語での意味は、アルコールや薬物依存の治療を意味していましたが、
それがいつの間にか、
重金属や、老廃物などの「体内毒」の「毒出し」
という意味で使われていることが多いようです。


実は、私は「デトックス」という言葉は余り好きではありませんでした。
というのが、
世の中で「デトックス」という言葉は、
いわゆる「デトックスビジネス」で使われてることが多く、
(ビジネスであること自体は問題ではないのですが)
ビジネスの利益を最大限にするために、
「デトックスの本来の目的」が大きく歪められることが非常に多い、
ということが、しばしば見受けられるからです。


では、「デトックスの本来の目的」とは何か?

それは、本来の健康な状態に戻る、ということです。

健康の障害になっている「体内毒」を排出することによって、
本来の健康な状態に戻る、
それが目的であり、
そのための一つの過程としてデトックスがある、
というのが本来のデトックスのはずです。



確かに、体内には「体内毒」
(これも余り好きな言葉ではありませんが)が存在します。
通常は、それを排便や発汗など、新陳代謝の作用で排出します。
時には下痢や嘔吐で急速に排出します。

しかし、それでは排出しきれない「体内毒」があります。
それを排出させようというのが、デトックスです。

そこだけ聞くと、何が問題なのか? と思われるかもしれません。


もし、「本来のデトックス」のように、
健康にとって必要な排出量だけ排出する、ということであれば、
何も問題はありません。


しかし、「健康にとって必要量」ということが
スッポリと抜け落ちてしまい、
「排毒しないと大変なことになりますよ!」
というように、病気に対する恐怖に訴える形で、
デトックスビジネスが成立していることが多いのです。

人を動かすのに最も手っ取り早いのは、
「恐怖に訴える」ということです。

極めて有効かつ有害な方法です。



なぜか、というと、
恐怖に訴えると、「良い加減」を忘れ、
徹底的に排除する、ということになるからです。


「毒出し」ということが自己目的化してしまい、
場合によっては、無理で無謀な「毒出し」による副作用も見受けられるからです。



つづく