お早うございます。 「ものの道理を考えよう」 の永松昌泰です。
全仏オープンテニスは、女子はアジア人初優勝、
男子は、惜しくもフェデラーは敗退し、ナダルが6度目の優勝!
6回の優勝は、あのビヨン・ボルグと並んだということです。
そのビヨン・ボルグ。
80年、ウィンブルドンのマッケンローとの死闘は
凄まじかったですね・・・
ちょっと話が古くなりました。
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昨日のブログの最後に、
スポーツも人生の縮図というようなことを書きました。
スポーツと言えば、
ゴルフもまた、非常に興味深いスポーツです。
昔、かなりやっていたゴルフですが、
この15年、ほとんどやっていません。
昔のゴルフには、「名誉ある不運」という言葉がありました。
ゴルフ場には、バンカーと呼ばれる砂場が設けてあります。
砂なので、ミスショットをしやすく、
ハザード(障害)になっています。
今でこそ、バンカーで打った後では、
他の方のために、
打った跡や靴の跡をきれいに修復するのがマナーになっていますが、
古来のルールでは、
バンカーは絶対に修復してはいけなかったのです。
昔のゴルフは、全てマッチプレーといって、
目の前の相手だけが直接の相手だったのですが、
現在は、ストロークプレイといって、
出場者全員が相手の試合が中心なので、
全員を「公平」にする必要があります。
それに伴って、ルールが変わったのです。
それはそれで良いのですが、
失われた貴重なものもあります。
「名誉ある不運」もその一つです。
バンカーに入って打つと、当然ながら打った跡は凹み、
また靴を深く砂に入れるので、
靴跡は深く抉れます。
修復してはいけないので、
後からのプレイヤーがバンカーの中に打ち込んでしまうと
凹んでいるだけ、ボールがその中に入りやすくなります。
跡に入ると、非常に打ちにくいので、
ほぼ確実に1打、場合によっては2打3打失います。
その時の反応の仕方はいろいろでしょう。
くそ! なんてこった!
なぜ自分にこんなことが起こるんだ!
というのが正直な感想でしょう。
しかし、このルールを作った英国人というのは、
非常に興味深い人です。
この状態を甘受し、平然として次打を打つのが
そういう場合の「正しい態度」なのです。
それを、「名誉ある不運」と呼び、
通常のナイスショットよりも尊んだ、と言われています。
それが、英国が経済力を失ってからも、
未だに世界の中心的存在であり続ける
「秘密」なのかもしれません。