東電の工程表 | 永松昌泰学長のブログ【ものの道理で人生を豊かにしよう】

東電の工程表

お早うございます。 永松昌泰です。




数日前、東電から原発に関しての工程表が発表されました。

それに対して、さまざまな意見が出ました。



私の考え、見方ですが、
今までお話していることと、同じです。



工程表のように、できるわけがない。
こんな短期間でできることは、ありえません。




ただし、この工程表は、
東電が「仕方なく」作らされたものであって、
本当にそう思っているわけではない。


ということです。



本音は、今起きている、
「ありえない状況」に何とか対処するだけでへとへと・・・

近い将来もまったく予測もコントロールもできない。
将来の工程表など、
根拠のない希望的観測の積み重ねしかできない。


「こんなことから早く逃げ出したい・・・」




この工程表は、
これ以上遅れた工程表だと、
「ふざけるな! もっと早くしろ!」
と言われることを恐れて、
無理やり作ったもので、


後で、いろいろな事情で、こうはできなかった、
というシナリオしか用意されていません。



では、誰がこの不可能な工程表を発表させているのか?


それは、表面的には政府ですが、

簡単に言えば、

我々 です。


いわゆる国民感情です。




でも、こんな行程表は無理です。
無理なことです。


ですから、後で
「話が違うじゃないか!」
といきり立っても、仕方がありません。


その不可能な工程表を作らせたのは、
ある意味 
私たち自身なのですから。



いや、そうではない! 
という方も多くいらっしゃると思います。


もちろん普通の意味ではそうではないかもしれない。


でも、
原発推進をずっとこの50年以上進めていた自民党政権を
支えていたのは、
結局私たち国民なのですから。

たとえ、自民党政権に大反対をしていた方であっても。
たとえ、原発反対に生命をかけていた方でも、
国民なのですから。




ですから、こういう発表の表面だけみて
右往左往するのはやめましょう。


今、この段階に来て、
原発が早急に根本的解決ができることは、
ありえない、と思います。


以前に書いたように、
結局は、少なくとも数十年単位はかかることだと思います。



私たちが慎重にしていかなければならないのは、
本当にどこまでどのように影響があるのか、
ということです。



また、単に原発がこうだから、ということだけではなく、
そもそも、これからどう生きていくのか、ということを、
これを契機に考えたいものです。




原発に話を戻しますと、
これ以上、原発を作ることは、もちろん考えられませんし、
浜岡原発を始め、少なくともいくつかの原発は、
すぐに廃炉すべきです。



長年行われていた議論のように、

「何重にも安全措置が講じられている原発で大きな事故が起こることを証明せよ」
ではありません。

もうそれは通用しません。



これだけのことが起こっているのですから。
少なくともこれからは、今の事態は「想定内」にならなければならないのです。



ですから、これからの原発についての命題はこれです。


「浜岡その他の原発で、同じことが起こらないことを証明せよ」


これが現在の「命題」です。