もうすぐ新しい年がやってきます。重箱に入ったおせち料理はお正月の楽しみの一つですね。



料理の数々は役割分担をしてそれぞれの重に収まっていて、重複することはありません。本来は行政の役割も、重複するべきではないと私は思います。

この行政機能の重複、「
二重行政の解消」を目指したのが5月の住民投票でした。残念ながら僅差で否決されて以降、止まったままです。私は「住民投票が終わったからこの話も終わり」ではなく、引き続き解消を目指して行動しなければいけないと考えています。


しかし「二重行政」に関しては、政治家どうしの議論であっても話が噛み合わないことが多々あります。そこで今回は、「二重行政」についてまとめてみたいと思います。

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まず、二重行政とは何か。

『大辞泉』によると、以下のようにあります。

国、都道府県、市区町村の所管業務が重複すること。多く、国の出先機関と都道府県、また、都道府県と政令指定都市の業務が重複することをいい、行政コストの無駄として批判される。

私も概ねこの認識です。付け加えるならば、「階層が違う行政組織が、同じ業務を行うこと」でしょうか。

大阪には、「府」と「市町村」という階層が存在します。



たとえば、大阪府と大阪市の階層は異なるので、本来は役割分担をしてそれぞれ違う役割の仕事をすべきと考えます。大阪府は府下43市町村全体のことを考えた広域行政を、市町村はそれぞれの住民サービスの向上を目指した基礎自治を。しかし実際は、府と市が同様に手掛けている事業が多くあります。大学、高校、研究所、保証協会、公営住宅など。※一部は統合済

住民投票の際、ある大阪市議が言っていました。

「"良い二重行政" と "悪い二重行政"がある」

私は基本的に二重行政は無くすことが望ましいと考えています。府と市の施設どちらも利用されているからそのままでいい、という問題ではありません。同じ事業を大阪府とその一部の市町村が共に手がけることで、それぞれに管理部門が必要になります。人件費も掛かります。それらは税金でまかなわれています。二重行政の解消は、管理部門の一元化、事業の効率化にも繋がります。大阪府と市町村という階層が違う行政体が同じ事業をする必要はありません。どちらかに任せればいいのです。


また、ある大阪市議はこんなことをツイッターで書き込んでいました。

「大阪都と、5つの特別区で合わせて6重行政だ!」

これは「重」の意味を根本的に間違えています。「重」とは異なる階層が合わさったものです。重が
増える要素は「いくつの階層か」です。同じ階層のものがどれだけあっても「重」にはなりません。大阪府下には43市町村ありますが、決して43重行政などと表現することはありません。

5月の住民投票の際には、「大阪都」と大阪市を5つの特別区に再編する案を提示しました。


広域の事業を行う「大阪都」と基礎自治を担う「特別区」。この間には明確な役割分担があり、また特別区どうしも同じ階層にあるため「重」は発生しません。私たち大阪維新の会が目指しているのは、「二重行政」が発生しないこのような仕組みです。

堺市長は「大阪府と堺市の間に二重行政は存在しない」と主張しています。

果たしてそうでしょうか。堺には、府営住宅と市営住宅があります。府立高校と市立高校があります。大阪府と堺市が異なる階層において同様の事業をしているのです。

「二重行政を解消しましょう、またこれからも発生しないような仕組みを考えましょう」という呼びかけに対して、「悪い二重行政は無い!」や「うちの市には二重行政は存在しない!」と自分の殻に閉じこもってしまうのはよくありません。「どちらが悪い」という話ではなく、また「税収が吸い取られる」という小っちゃい話でもありません。市民も大阪府民です。大阪府・市の行政の効率化は大阪全体の利益に繋がります。
その地域に暮らす住民のために真に相応しい仕組みを目指して議論したいものです。