東日本大震災が発生した時、物資不足の中で我先にと略奪や暴動を起こすどころか自らも被災しながら文句も言わず長い行列に並ぶ人々の姿に、海外の人たちが驚嘆したといいます。

また、サッカーのワールドカップで日本が負けた後に自分たちが座っていた席だけでなく周囲までゴミ袋を手に清掃していたというニュースもありました。

これらの行為は、長い歴史の中で培った日本人の精神性を表すもので、本当に誇りに思います。

一方で日本人のマナーについて不安なこともあります。

それは、周りの人たちのことを考える力が無くなってきているのではないかということです。マニュアルのように当たり前になっていることは自然と行動ができる。しかし、それ以外のことはできない。そのようなことが増えてきているように感じます。

例えば、百貨店などの建物に入るためにドアを開ける時、後ろに続いて入る人のことまで考えているでしょうか。外国では後ろを振り返り、誰かの姿が見えたら他人でも開けたまま待っておくのは当然です。
急に締めたらその反動で後の人が危ないと、考えれば分かること。

また、頻繁にこのブログでも書いていますがゴミのポイ捨てが本当に多い。歩いていても信号待ちでも、車の中からもポイポイ捨てていきます。誰が掃除をすると思っているんでしょうか。周りのことなど全く考えていません。

マナーとは、老若男女、色んな立場や考えの人がいる社会の中で、皆が気持ちよく暮らすための知恵です。そういう意味では、歴史の中で受け継がれるものに加えて、現代社会の中で新たに必要とされるマナーは増えていくはずです。それらは「周りの人のこと」を考えて行動することで自然と実践することができます。

ニュースなどで日本人の礼儀正しさやマナーの良さが称賛される一方で、私は自分のことしか考えない身勝手な大人が増えていることを懸念しています。自分だけではなく、相手がどう思うか、周りにどういう影響を与えるかまで考えて行動ができる日本人であってほしい。大阪府議会で教育を担当させていただいている立場としても、力を入れて取り組んでいきます。