一昨日、同僚の議員と堺市北区にある大阪府立堺聴覚支援学校を訪れてきました。


地元で難聴のお子さんを持つ方から相談をいただいており、実際に子供たちが学んでいる環境を知る必要があると考えました。


堺聴覚支援学校は、大和川以南を通学圏としており、大阪市生野区にある生野聴覚支援学校とエリア分担をしています。


校長先生から学校の概要や取組み、災害対応などについて説明を受けた後、校内を見学。堺聴覚支援学校には乳幼児・幼稚部・小学部・中学部あわせて81名の生徒が在籍しています。


大阪府議会議員 永藤英機オフィシャルブログ

教室は耳の聞こえにくい子供たちが学びやすいような配置になっています。(写真は先生を囲んで馬蹄形に机が並んだ理科室)


大阪府議会議員 永藤英機オフィシャルブログ

どの教室でも子供たちが元気に過ごしていました。


先生方も愛情を持って指導されている様子が伺え、楽しそうに学ぶ子供たちを見ると「良い学校だな」と感じる一方、仕組みの課題もあります。


まず、一クラス数名程度と少人数であるため、難聴の度合いにあわせた指導が行いにくい状況です。例えば、少し聞きにくい子供と、全く聞こえない子供が同じクラスで学んでいますので、一緒に授業を受けていても理解力に差が出ます。


その関連で、6年間かけて小学校5年までの授業を学びます。これは子供たちにしっかりと内容を理解をしてもらう目的ですが、前述のように難聴の度合いで理解力に差があるため、6年分を学ぶことのできる子供も5年までの内容しか教えてもらえません。


最後に一番大きな課題は、普通に耳が聞こえる子供たちと交わる機会が少ないということ。学校に通うということは、家庭の枠を越えて社会性を身に付ける勉強でもあります。大人になれば様々な人々と接することになります。聴覚支援学校の中だけで社会性を学ぶのは難しいと思われます。


これらの課題は私たち政治家がしっかりと考えるべき内容です。


案1:地域の市立学校との交流を密にすることで子供たちにより広がった社会性を学んでもらう。

※今は年に2回、近隣小学校との交流はあるそうです


案2:市立の学校に難聴学級を置いて、学区を超えて通うことができるようにする。(モデル校・センター校)

※現状でも大阪市内、岸和田市内に難聴学級がある小学校はありますが、市内在住の子供しか通うことができません


案3:市立学校と支援学校に2重で籍を置き、どちらでも通うことができるようにする。

※横浜の小学校では実施されているそうです


現状では、大阪府立の聴覚支援学校と堺市立の学校ではほとんど連携ができていないようです。大人の理屈では府立・市立で運営母体は違うのかも知れませんが、子供たちにはそんなことは関係ありません。子供たちが健やかに学ぶ環境を提供することは大人の責任と言えると思います。


今後、堺市にも協力を要請して府市連携の特別支援教育を進めるよう取り組んでいきます。


来週は生野聴覚支援学校を訪れる予定です。