どうしてカジノが必要なのか?


戦後、日本は高度経済成長を果たし、世界2位の経済大国と言われるまでに発展しました。しかし現在は限られた人口、資源の中でこれ以上急速な発展は見込めず、さらに少子高齢化による産業の衰退や国家の財政難など暗い話題が多く、国内だけで新たにお金の流れを生み出せる状況ではありません。


一方外国に目を向けてみると、今年にもGDPが日本を抜くと見られる中国をはじめ、BRICsなど急速な成長を続ける国も多く存在します。特に中国は日本に近いこともあり、大阪でも近年多くの中国人観光客を見かけます。


そこで、日本を訪れる外国人観光客を増やせるスポットを作ることで日本にお金を落としてもらい、新たな「お金の流れ」を作る。その観光客に日本の他の観光地にも立寄ってもらいアピールをして今後より多くの観光客の集客に繋げる。


日本に新しい風を吹き込んで閉塞感を打破する。


これが最大の目的であり、実現のために現状でベターな方法がカジノだと私は考えています。


つまり、「何が何でもカジノを!」というわけではありません。カジノ案以外で、もっと良い案があるならそちらを優先します。ただ、何も手を打たず、手をこまねいているだけでは日本は現状維持すら難しいのです。


というわけで、今回はカジノ計画について検討してみたいと思います。


まず場所ですが、私は日本でカジノに適している都市は東京、大阪、横浜、神戸に限られていると考えています。


カジノを成功させるには前述の外国人観光客が訪れやすい場所、つまり国際空港の近くというのが前提になります。そしてリゾート性。カジノは野暮ったくなってはいけません。一攫千金という夢を持って訪れる場所ですから、非日常的な空間が要求されます。更に都心に近いことで、観光客により多くのお金の流れを生み出してもらえます。これらの内容を満たすのが上記の4都市だというわけです。


今、大阪では橋下知事がカジノ構想を打ち出し、にわかに議論がされています。

大阪で検討されている場所は南港の咲洲地区と泉佐野のりんくうタウン。そこに以前計画があった堺を含めて比較してみます。


永藤英機の「堺から日本を元気にする」ブログ


上の表は、私の個人的な意見として各地を比較したもの。


【アクセス】

関空からの交通の便。りんくうタウンは海を挟んで隣接しており、堺は南海本線で30分ほどの距離。

南港は・・・距離的にはそれほど遠くありませんが電車だと乗り継ぎが面倒です。南海本線で難波まで出て地下鉄四ツ橋線に乗り換え、住之江公園駅からニュートラム。バスだと関空から乗り換え無しで行けます。関空からフェリーが新設されると便利です。


【都心に近い】

南港はキタ、ミナミとも電車で30分、堺は現状では都市としての魅力が弱いので堺市内で満足できず観光客は大阪市内に出ていってしまいそうです。尚、堺からミナミまで10分、キタだと30分。南港に○をつけたのは、もしカジノが南港に来ることになった時には府庁もWTCに移転しているだろうし開発が進んでそこでエンターテイメントを完結できるくらいの設備があると考えたからです。


【リゾート性】

現状ではどれも低い評価です。南港とりんくうタウンはリゾート化の開発の余地がありますが堺は工場が多いので難しいでしょうね。。


【土地】

南港とりんくうタウンは共に新たな街の建設を目指したもののバブル崩壊の影響で開発は挫折しました。その為、活用できる「空き地」は多く残っているものと思われます。堺は現状の地図を見る限りでは工場に撤退してもらうか新たに埋め立てるかしか無さそうです。(駅から近いエリア)


以上の4項目から考えると、私はカジノは南港が最適だと思います


「都市型エンターテイメント&リゾート」を目指すには泉佐野では弱いのと、関空に降り立った外国人観光客がりんくうタウンで完結してしまうとお金の流れが生み出せません。大阪の中心部まで来てもらってパーっとお金を使ってほしいものです。私は堺市民ですので、堺にどうか?とも考えてみたのですがリゾート性や土地の問題からかなり厳しそうです。小規模なものなら可能かもしれませんが、関西唯一のカジノと考えた場合には物足りないでしょう。南港カジノ案は平松大阪市長が強く反対していますが、来年春の統一地方選挙と秋の大阪市長選挙で流れがどうなるか見ものです。


さて、カジノを誘致するデメリットとしては真っ先に頭に浮かぶのが社会的な問題。


一般的には以下のようなことが懸念されています。


1.治安が悪化する


外国人観光客が増加すると、これまで日本人が大多数だった地域の雰囲気が変わりますので、戸惑うこともあるかもしれません。また、流れ込む人口の増加に伴い警備体制もこれまで以上に整える必要があります。しかしこれは日本が「観光立国」を目指す上では外国人観光客の受け入れ態勢という意味でカジノに限った問題ではないと思われます。暴力団が深く関与するのでは、という懸念については法律の整備などで対応する必要があります。尚、アメリカのラスベガスではカジノ反対派も認識するほどマフィアの影は全く無いそうです。


2.青少年が出入りすると教育上悪影響がある


未成年の立ち入りは禁止すべきです。日本人でカジノを利用したい人は予め年齢認証した上で登録しておき、外国人はパスポートのチェックで対応できるのではないでしょうか。パチンコや競馬などは年齢制限がありますが、実際には違反してもお咎め無しのような気がするのですがこれは問題ですよね。


3.ギャンブル依存症が増える

カジノが提供するゲームによってギャンブル依存症の人が増える可能性はあります。これはパチンコ、競馬、競輪、競艇でも同じことが言えます。例えばカジノの収益の数%を対策や依存症患者へのケアの費用に充てることも必要かもしれません。


最後に、日本ではこれまで(表立って)カジノの文化がありませんでしたので、新しい仕組みを取り入れようとするときには色々と不安に感じることもあるかと思います。私自身、以前はカジノというと「ギャンブラーが集ういかがわしい場所」などというぼんやりしたイメージを持っていました。


そこで、私は昨年11月にマカオのカジノを見てきました。


マカオは中国の行政特区で2000年代に入ってから「カジノ政策」が打ち出され、今では売上高でラスベガスを抜くほどの規模に成長しています。


永藤英機の「堺から日本を元気にする」ブログ

マカオカジノの象徴、リスボア。


永藤英機の「堺から日本を元気にする」ブログ


建物の外では何人もの警備員が立って見張っており、内部ではパスポートのチェックを通らなければ入ることができません。(外の壁にもたれて水を飲んでいたら注意されました;)


内部は写真撮影禁止なので画像がありませんが、吹き抜けの広いフロア、金と黒で統一された高級感ある内装、レストラン、バーカウンターなど居心地の良い空間。


私の見たカジノは紳士淑女の社交場、それはまるで「大人のディズニーランド」といえるようなものでした。


日本にカジノを作ることの是非は、なかなか判断がつきにくい問題だと思います。現状では法律も変えなくてはなりません。しかし日本の将来を考えた大きな視点に立つ上で、カジノは検討に値するものだと私は考えます。いや、カジノでなくても構いません。どうすれば、この閉塞感を打破できるかを真剣に考えることが必要だと私は思うのです。


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