あの人がいなくなった日のことを今でも鮮明に覚えてる
秋はまだ始まったばかりのはずなのに、その日はやけに寒かった
まるで、彼の命の灯火を消し去ってしまうかのように
夜になって、どうしようもなく気になった私が急いで彼の家に向かっていると、風に乗って女の人の泣き声が聞こえてきた
-まさか、そんなの嫌だ。いやだ
悪い予感が当たりませんように、と必死に願いながら走りついた私が見たのは
布団に横たわった彼と、彼にすがりついて泣く彼の大切な人だった
どんなに名前を呼んでも、もう彼は目を開けてくれない
その事実を確認した途端、私はその場を駆け出した
ただひたすらに町の中を走った
まるで彼の姿を探すかのように
もうここにはいない、って頭の中ではちゃんと分かっているはずなのに、それを認めたくなくて
走って、そして私は___