本屋で衝動買いをした2冊
後宮の烏はその後2.3巻も購入
湊かなえさんはなかなか手に取りにくい…
イヤミスが多いからかもしれない
イヤミス：ミステリー小説の一種で、読んだ後に「嫌な気分」になる小説のことをいいます。 ... しかしイヤミス小説は、事件のことだけではない人間の奥に潜む心理などを描写し、見たくないと思いながらも読み進めてしまう、嫌な汗がたっぷり出るような後味の悪い小説のことを指します。（ブックオフ オンラインコラムより）
「告白」、凄かったですよね…
自分の娘を教え子に殺された中学教師が、復讐していく物語
中学教師である森口悠子は、終業式に我が子を殺した犯人である少年を指し示し、その犯人の2人にHIV感染者の血液を混ぜた牛乳を飲ませ、学校を去る…とにかく『衝撃』のオンパレード！！イヤミスの女王ですね、デビュー作から…
湊かなえ作品は
人が死ぬことにより悲しみから憎悪へと変わる激しさや急にぴたりと止まる感情の静けさ
心の葛藤を正直に、そして喪失感や愛情からの激しい心情をたたきつけるように表す
人間の心のえげつない部分というか
真っ黒い腹の中を表現することで
自分の一番嫌いな自分を表し
後味が悪い作品になる…
地味にダメージ受けまくり。
だからすぐに購入しようとする気になれない
いくら薄幸美人健気キャラが好きなわたくしでもかなり
いや絶望的抵抗があります
なので
「絶唱」もどうかなと思っていたのですが
やはり
絶望…するところはいくつかありましたが
お見事です
私が防災訓練・防災知識を得ようと思ったのは「阪神・淡路大震災」がきっかけだったので
これは
当事者の経験、叫びを知るべく
読まなくては…と
そのままレジへもっていったのでした
そのころ生まれた若者ももう成人
一緒に働くスタッフです
私は幸い友人や家族に亡くなる方はいませんでしたが
こわい思いをした友人がたくさんいます
そして3月には地下鉄サリン事件
日本はどうなってしまうのかと毎日流れるニュースが嫌いになりました
地下鉄サリン事件は自分の仕事に直結する報告が
絶望の元に報告されて
何度
哀しい涙を流したかわかりません
その現場に立ち会った友人は心身とも疲れ果て
青年海外協力隊で5年辺境地へ派遣され
泥水に近い水しか出ないところで生活した事だとか
イナゴの大群に部屋を襲われたことなど大したことないとメンタルもめっちゃ強くなって帰ってきました
この作品はそのような大震災を経験したリアルな内容と
青年海外協力隊の経験談が交わり
4章がすべて登場人物も物語もつながり
絶望で終わるかと思ったら
そうではなかったというところに安心して読み終わりました
一度美容院で100ページくらいまで読んだのですが、まりえとゆきえがミックスしてしまい
もう一度はじめから読み直すはめに…
誰視点なのか
読者に任せるのか
うっ、
躊躇したことは否めません…💦
解説を書かれた中江有里さん
すばらしいですね
とてもわかりやすくて感動いたしました