『素晴らしき哉、人生!』(アメリカ、1946年) It's a Wonderful Life
を観た。
1945年のクリスマスイブ。
住宅ローン会社を経営するジョージ・ベイリーが自死しようとしていた。
天界ではそんな彼を救うべく、二級天使クラランスにジョージの生涯を見せるのだが・・・。
主演はジェームズ・スチュアート。
この時代のアメリカ俳優はジェームズ・スチュアートしかおらんのかと思うくらい
今ではクラシックのハリウッド名作のほとんどに出演しているといっても過言ではない気がする。
前半のストーリーはジョージの人生を今日に至るまで振り返るもので、
幼少期に弟を助けて片耳を失聴した体験、
手伝いをしていた薬局で店主が毒薬を入れてしまったミスをフォローしたこと、
大きな世界に憧れて世界旅行に行こうとした折に父が亡くなり会社を継ぐことになり、大学にも進学できず、
新婚旅行の折に一大事が起きてまたしても海外旅行に行けないながらも
会社を切り盛りし、友人の妹メアリーと結婚し子宝にも恵まれて暮らしていく・・・という映画的な面白味のない光景が続く。
ジョージが実直であることは伝わるけど、この前半パートがなかなか退屈。
ただ、この前半パートが後半への布石というかタメになっていて、
「ジョージ・ベイリーがいない世界」というifを経験する後半になって、これらのエピソードが活きてくる。
この映画が支持される理由はよく分かる。メッセージが明確なんだよね。
ジョージ・ベイリーがいない世界では、彼が人生で関わった人間のほとんどが不幸になっている。
1人の人間の命は多くの人間の人生に影響を及ぼしており、
ラストシーンでは、窮地に陥る彼を大勢の人が助ける。
ジョージは誰かの人生を救っており、ジョージもまた誰かに救われて生きていく。
「友ある者は救われる」というラストメッセージも見事に作品を締めくくっていて、
鑑賞後感が良い。
素敵な映画なんだけど、
守護天使であるクラランスがぼろぼろの服を着たお爺さんで、彼を助けようと代わりに河に飛び込んだり
なかなかマヌケで面白い。
ただの感動ストーリーにしない愉快な描写が絶妙で良いなぁ。

