楽しく学ぼう!実践編その4【祝!国宝認定!!熊本・通潤橋編】 | 灘学習院のブログ 日本一の塾をめざして

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兵庫県・大阪府にある学習塾です。(西宮市・芦屋市・宝塚市・神戸市・豊中市)
◆1968年の創設以来、お子様の考える力を育てる思考教育を実践しています。
◆小学1年生から高校3年生までを対象としています。

豊中校担当の杉谷です。



とても久しぶりになります。



9月に入り、体調不良そして豊中校での懇談、学校訪問の連続となかなか時間がありませんでした。あと24日の説明会の資料作りもあり、てんやわんやな状態でした…汗うさぎ



10月に入り、厳しい残暑もどこへやら、涼しくなり、過ごしやすくなってきました。それとともに9月の忙しさも少し落ち着きましたので、久々に投稿してみようということになりましたウインク



ということで、今回のテーマは「楽しく学ぼう!実践編その4【祝!国宝認定!!熊本・通潤橋】」ですお祝い



通潤橋があるのは熊本県・山都(やまと)町。

地図ではこのあたりになります。



熊本市から南西へ向かったところで、となりには2016年の熊本地震で大きな被害のあった益城町があります。

さらに地図を拡大して、


阿蘇山の南にあたり、赤い印のあるところになります。

このたび通潤橋が国宝認定を受けたことをご存じの方もいらっしゃるかと思います。


山都町のホームページにも記されているとおり、先月の25日に正式に認定となりましたクラッカー


しかし、私が訪れたのはその7ヶ月前で、もちろん国宝認定されるということは知らなくて、ニュースで認定される見通しだと知ったのも7月頃でしたので、まだ全く知らない状態で訪れました。

では、なぜ訪れたのか…ですが、このブログに載せるため…ニヤリ
というのも少しはあったのですが、ずっと気になっていたところ、というのが大きい理由で、今回の旅先が熊本と決まったときに、嫁さんにお願いして、ぜひ通潤橋に!…という流れからでした。


いつから気になっていたか…といえば、小学生の頃からですニコニコ
小学4年生か5年生の頃に国語の教科書で通潤橋の建設に関わる話があったことを覚えていました。
その後、日曜日の「サザエさん」のオープニングで、サザエさんが全国各地の観光名所をめぐる場面が今でも流れていますが、そこにこの通潤橋が登場して、さらに記憶に残ることとなりましたおねがい
そこからずっと「行ってみたいな」と思っていました。


ただ、私は父方の田舎が熊本県で、過去には幾度となく熊本には行っていて、観光地もだいたいは訪れていましたから、どこかで「いつかは行けるだろう」とも思っていた結果、今の今まで行くことがありませんでしたショボーン


熊本へは2泊3日で、お宿は2泊とも阿蘇でした。レンタカー移動であちこち行った結果、通潤橋に滞在できる時間は限られていたので、あまり長くは見ることができませんでしたが、初めて生で見ることができました爆笑


完成したのが1854年とのことですから、今から約170年前となりますが、この橋のスゴいのは四方を河川に囲まれた台地に農業用水を送るために作られた水路橋なのですが、今でも現役としてその役目を果たしていることですびっくり


2016年には先にも触れた熊本地震で、さらには豪雨での被害はありましたが、それも乗り越え、今もなお台地の農業を支えています。


周りが河川に囲まれているので、水はあるのですが、台地に引き上げるには苦労がありました。


そこで、当時の惣庄屋(今の村長)である布田保之助が水路橋の建設を決意します。
(国語の教科書ではこのあたりの流れや苦労が描かれており、とてもおもしろいのですが、長くなるので、そのあたりの物語は割愛いたします)

この人です!

(※右の人ではありません)



苦労した点はたくさんあり、どれも紹介したいところですが、長くなりそうなので、その中から3点あげると、

①橋をかける構造は?
採水したものをそのままの高さで送ろうとするとその高さは尋常なものではなくなります。そこで、極力高さを下げて建設することになりましたが、それでも石橋としては日本一の23mを誇ります。
また、重たい石橋を支えるために脚柱も必要なのですが、通常の組み方では難しかったそうです。そこで、彼らがヒントにしたのが同じ熊本の熊本城の石垣です。


俗に「武者返し」と呼ばれる熊本城独特の石垣の組み方は、見た目の美しさのためにではなく、重たい天守閣を弱い地盤で支えるために使わざるを得なかった石積み技術であったことを利用しました。

②水路を作る
ここにもいろいろと苦労があったようです。


のちほど紹介する水を送る仕組みから、水はかなりの勢いでこの通潤橋内の水路を通りますが、水路を木でつくると、その勢いに耐えられず壊れてしまいます。そこで石で作ることを考えましたが、それもすき間から水が噴き出してしまいました。そこで石と石のつなぎ目に「漆喰」を使用することで、つなぎ目を塞ぎ、水の噴き出しも抑えることができました。

※「漆喰」…消石灰(水酸化カルシウム)を主原料とした塗り壁材のこと。 

消石灰(水酸化カルシウム)とは、石灰石(炭酸カルシウム)を焼いて水を加えたもの。


②水路を作る
①で触れたように、橋はできる限り高さを低くしたことから、水を届ける先の白糸台地より低い位置にあります。そこで取られた方法が「逆サイフォンの原理」ともよばれる、送る側と届ける側の高低差を利用して水を送る方法です。


送る側の高さを利用して、そこから水を落とすように流し、その勢いを利用して、通潤橋内の水路を一気に通り抜け、届ける側の高さまでその勢いで水を送っていきます。

送る側の高さを届ける側の高さより高くすることで、その方法が可能となりました。


今回、通潤橋を訪れたのが3月2日。まだ冬の気配の残る時期でしたが、実は通潤橋を見に行くにはあまり適している時期ではありませんでした…ショボーン


上の仕組みの図の中に「水ぬき穴(ごみさらえ口)」となっているところがありますが、ここは橋の中心部にあり、文字どおり水路内のゴミを外へ出すべく穴が設けられており、定期的にこの穴が開放され、ごみを外へ出すには十分なくらいの勢いで水が放出されます。それがとても見ごたえがあり、通潤橋を訪れる人はこの水の放出のタイミングに合わせて来る人が多くなります。


上の写真のようにスゴい迫力の放出の様子が見られるのですが、私の訪れた冬期期間は水路の凍結のリスクから放出は行われない時期でした…残念えーん
ただ、またゆっくり見に行く口実はできたのかなとも思いますニヤリ


今回の熊本旅行では、他にも阿蘇山の噴火口を見に行こうと向かいましたが、残念ながら噴火の勢いが強く、火口付近は入山規制により近寄れず…ショボーンこれまた残念えーん

あまりにも悔しかったので、草千里で暴れてきましたグラサン


さらには、2020年の熊本豪雨による球磨川が氾濫し大きな被害を受けた現場も見てきました。その前に、ここは父方の田舎でもあるので、親戚がかつて経営にも関わっていて、幼少の頃に訪れた鐘乳洞に何十年ぶりに…と思って行ってみましたが、なんと定休日…ガーンことごとくついていない旅となりましたえーん


鐘乳洞付近はもちろん人影はなく…でしたが、人以上に野生の猿が団体でいました猿
カメラ向けたら逃げられてしまいました…これまた残念えーん


猿を写せなかった無念さを引きずりつつ、豪雨被害にあった集落に行きました。
上の写真の赤マルの下に球磨川が流れています。ふだんは道路から3m以上は下を流れているのですが、


水位が私の身長の2倍のところまできたとのことでしたびっくり
そして家が集まる集落だったのですが、


空き地が多くなっていましたショボーン
3年経って復興に向けて進み出していたようですが、元の集落に戻れるかは?のようでした…球磨川沿いの道路も作業にあたるダンプカーがバンバン走っていたのが印象的でした。

さらには、熊本地震で被害を受けて、建て直してからは初めての墓参りにも行ってきてと、まぁ忙しく動き回りましたので、通潤橋の滞在時間も短くなってしまいました…

お宿にあったグランドゴルフ場が阿蘇山を背景にとてもキレイだったので、ここで楽しんでしまったのが通潤橋の滞在時間を減らしたいちばんの原因ではあるのですが…汗うさぎ


ということで、久しぶりにして長編となりました「楽しく学ぼう!実践編その4」はここまでとさせていただきます。誰も期待はしていないでしょうが、次回の「その5」もお楽しみに〜ウインク