21年前、長時間労働や人間関係、業績等、追い込まれていた頃、精神科を受診した事がある。逃げ場が無かった。味方が誰一人としていなかった。そんな状況だった。薬を処方されてお仕舞。その後何度か通ったが、仕事を辞めるまで改善する事はなく、仕事を辞めた途端、安心したのかよく寝られる様になり、うつ状態も改善した。環境を変える事が重要だったのかも。

 

 知り合いの知り合いで、月150時間も残業していて眠れなくなって心療内科に通っている人がいるらしい。月23日出社としても一日6時間以上残業している事になる。実際は土曜や休日も出ているそうだが、それでも平日で3~4時間残業している計算だ。月80時間以上残業で過労死ラインを超えると言われたが、未だにそんな職場がある事に驚いた。上司らが何をやっているのか不可解だが、労基にいかれても仕方がないレベル。むしろ、行った方が良いと思う。しんどいと言わない人を強いと思ってはいけない。タフだと思っていた人ほど、うつ病になりやすい。

 

 この話を聞いて、精神科と心療内科の違いについて調べてみた。すると、

 

精神科~心の症状や病気を専門として、心の病気そのものの治療を行う。落ち込みやイライラ、落ち着かないなどの気分症状、眠れなかったり、寝過ぎてしまうなどの睡眠症状、幻聴や幻覚などの精神症状のほか、こだわりや物忘れなどの認知症も対象で、うつ病や躁うつ病、統合失調症、パニック障害などの不安障害、脅迫性障害やPTSDなどの心の病気の診療を行う。

 

心療内科~様々なストレスが要因で、身体に症状が現れる症状を扱う。吐き気や頭痛、強い動悸が続く、下痢・腹痛、血圧が高くなる、ぜんそくなどの身体の不調の背景に、心理的なきっかけやストレスが思い当たる時に受診する。

(参考~南港クリニックさんサイト)

 

調べてみて、なるほどと同時に、似てる様な気もした。自分は精神科を受診したが、夜勤続きで不眠気味だったので、心療内科でも良かったのかも知れない。毎日、真っ暗な時間に出勤し、朝サラリーマンが出勤する頃に帰宅するも午前中は寝付けず、午後になって5時間寝られたら良い方だった。日によっては2時間程度の日もあった。

 

 今の自分はある程度、自分で仕事を差配できるので、しんどくなったら仕事から離れる事ができる。しかし、普通のサラリーマンは自分から環境を変える事が難しく、選択肢としては休職や退職しかなくなる。また、人件費削減の為に正社員を増やさず、契約社員や派遣社員で賄う事が多く、責任が一般の正社員にも偏る事態が起こっている。そもそも、そんな経験をしたから今は楽な契約社員で働いている人もいるくらいだ。この辺りも、正社員に逃げ場がなくなる原因と言える。

 

 いずれにせよ、自分の身体、自分の心、そして自分の命は自分で守るしかない。やばいと感じたら一時的にでも逃げる勇気が大切だ。頑張っていると、自分の仕事は自分しか出来ないので、自分が抜けると迷惑をかかると思い勝ちだ。確かに零細企業ではそうかも知れない。しかし、巨大企業なら代わりはいくらでもいる。自尊心は傷つくが、これが巨大企業のメリットでもある。一時的に休職しても帰る場所はみつかる。知り合いの知り合いの方にもそう言いたい。