5年前からNHKの朝ドラにはまり、見続けています。今年春夏は伊藤沙莉さん主演の「虎に翼」が放送されています。このドラマは史上初の女性判事をモデルにしており、大日本帝国憲法下における男尊女卑や官憲の異常な強さが描かれています。象徴的だったのは初回放送の日本国憲法の紹介です。国民主権、平和主義、基本的人権の尊重といった現代では当たり前の権利が、今の憲法によって保証されているのですが、制定当時は女性にとって悲願だった男女同権が書かれている事を強調されていました。(ちなみに、女性の参政権は大日本帝国憲法下最後の総選挙となった1946年に行われている。旧憲法を理想とするアホがツッコむところなので気を付けたい。)

 

 日本国憲法の草案はGHQ民生局が作成しており、押し付け憲法と批判されます。しかし、その中身はそれまでの旧憲法にはなかった、男女平等、国民主権、結婚の自由、官憲の制限等が書かれており、これが戦後日本の復興、平和に大いに寄与したのは言うまでもありません。不平等な日米同盟下で曲がりなりにも日本の自衛隊が外国人を殺戮した事が無かったのも、日本国憲法のおかげです。(9条がなければ、ベトナム戦争や湾岸戦争に自衛隊が参加していたはず)

 

 ネトウヨ女性モデルがアベマTV等で話題ですが、そもそも現行憲法でなければ、女性が意見を言う事すら憚られたという事実を無視し、官憲を強化する改憲案を訴える姿は非常に滑稽です。(戦前、戦中に活躍した女性運動家平塚らいてうも女性の戦争参加という方法で男女平等を成し遂げようとした)

 

 ウクライナやパレスチナの戦争が長引き、日本でも軍備増強や緊急事態条項制定の声が強まる中、「虎に翼」が放映されたのは非常に大きいと思います。平和ボケした日本人が改めて憲法について考える良い機会です。90年前の愚行を繰り返さない事、これが今に生きる私たちの出来る事です。