呼び名のない愛 | ナックリンの部屋

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ずっと見たかったこの映画。
やっとこの前テレビでやっていたので見られました。

切なく、重く、温かく、悲しく、美しい映画でした。

本当の人と人の絆とは、
性別も年齢も血縁かどうかも形も関係なく、
共に過ごした時間の長さでもはかることは出来ない。
そう語りかけてくるようでした。

主人公と少女の愛には当てはまる名前がありません。
もちろん恋愛でもなく友情でも家族愛でもありません。
呼び名のあるものに本当に愛があるとは限らず、
この二人には「魂の血縁」という表現がしっくりきて、
どこかグラントリノに通じるものがありました。

ゲイの主人公が少女にバレエを続けさせるために、
彼の最大のアイデンティティであるセクシャリティを手放し、
男性として力仕事の就職をするシーンがあります。
愛情を知らずに育った少女と、
恋や性的嗜好しか知らなかった主人公が、
初めて本当の絆を知って変わっていきます。





私にも大切な人がいました。
この二人とは状況や関係が全然違いますが、
やはり名のない絆でつながっていました。
その人とはわずか6年半くらいしか関われませんでしたが、
愛情を知らずに育った私に初めて愛情を注いでくれました。
その人が癌で亡くなってしまった時は、
まるで自分がこの世で独りぼっちになったように感じました。

「また独りになっちゃった…」

野良猫に戻ったような心もとなさを感じていた32年前を、
この映画を見て思い出します。