海外ミュージカルといえば、今星組のBig Fish上演中ですが、こちらは著作権の都合で配信もBlue Rayもスカイステージ放送もまったくないということ。チケット争奪戦にことごとく敗れた者としてはもはや幻…。(稽古場風景と初日千秋楽ハイライトで雰囲気だけでも…)

 

スカイステージで6月に視聴した演目 月組Death Takes a Holiday

 

海外ミュージカルのDeath Takes a Holiday視聴しました。難曲が多かったようですが、皆さん健闘されていました。

 

死神(月城かなとさん)が本来連れて行かなければならなかったグラッツィア(海乃美月さん)に一目ぼれ、生かしてしまったことから始まる物語。どこかでみたことのある設定―エリザベートのトートですね。一目惚れしたらそのまま連れ去ったほうが効率よさそうなのに、「生きたお前に愛されたいんだ~」という欲望は死神共通のものなのか。違いはエリザベートはとてつもなく長ーい年月愛してくれなかったけど、グラッツィアは休暇中に簡単に死神に恋に落ちたというところでしょうか。

 

グラッツィアの父ランベルティ公爵(風間柚乃さん)と執事(佳城葵さん)のやり取りはコメディとしては多少中途半端なこの物語の潤滑油の役割を果たしておられたように思われます。(目のクマメイク最高でした。)

 

月城かなとさんロシア貴族として登場されるまでは怖ろし気な仮面を被っておられましたが、(あれは死神の本来の顔?)白い軍服姿で登場されるとさすがの美しさでした。海乃さんのグラッツィア、彼女としてはもう少しクールな感じの女性が似合うような気がしますが、さすがにうまく演じられていました。

 

若手の白河りりさん、タップや歌がとてもお上手でした。派手な姿をして、遊び歩いているように見えても若くして未亡人となった悲哀を上手に表現されていました。きよら羽龍さんのデイジーも可愛らしかったです。宙組への組替えがなくなり、彼女のポジションはどうなるのかも気になりますね。

 

彩みちるさんが通しで老婆の役をされていて驚きました。芝居巧者らしく、大ベテランの英真なおきさんをお相手に可愛らしいおばあちゃんをうまく演じておられました。

 

最後は結局グラッツィアに懇願されたとはいえ黄泉の世界に連れて行ってしまうのですね。それにしてもグラッツィアは王子の姿ではなく本来のあの仮面のような死神でもよかったのかなと軽い突っ込みを入れたくなりました。

 

息子だけでなく、娘までも先に逝ってしまうことになってしまったランベルティ公爵夫妻のことを思うと何かしらやるせない気持ちになる結末かもしれないですね。

 

ただただ月城さん海乃さん率いる月組の皆さんのがんばりに脱帽です。