「モンテクリスト伯」

当時の宙組トップ、凰稀かなめさんのモンテクリスト伯、つけっぱなしにしていたスカイステージで放送されていたのを視聴して、思わず画面に釘付けになりました。

 

これってがんくつ王として子どもの頃なにかの童話全集で読んだことがあります。(あまり覚えてないけど)どうやって子ども向けにアレンジしてあったのかもよく覚えていないのでわかりませんが、がんくつ王→巌窟王というおどろおどろしいタイトルだったことだけやたらと印象にのこっています。

 

善良だけど、知らず知らずのうちに周りの人に恨まれていた(妬まれていた?)爽やかな青年が、無実の罪に陥れられて、「狂ってしまったほうが楽」といわれる牢獄に送られ14年、その中で出会った司祭さんのおかげで脱獄、モンテクリスト島の財宝まで手に入れ復讐が始まる物語。普段の貴公子然とした凰稀さんの獄中の姿、復讐の鬼と化してからの凄みのあるセリフ、画面から目が離せなくなりました。実咲凛音さんのメルセデス、エドモン・ダンテス(凰稀かなめさん)と結婚式を挙げたときの初々しい娘時代から、再会後息子を守り抜こうとする母親となった大人の演技、その演じ分けがすばらしかったです。

 

今回の三悪人役、自分の保身のために無罪と解っていながら牢獄送りにした検事ヴィルフォール(蓮見ゆうやさん)、エドモンと同じ船会社の会計士でエドモンが船長に抜擢されたことを苦々しく思っているダングラール(悠未れおさん)、放蕩貴族でメルセデスを手に入れるために画策するフェルナン(朝夏まなとさん)が歌う♪わ~な~に~罠に嵌めてやる~♪が頭の中で反芻しています。でもこの三悪人、成功したかに見えて実は結構あまり幸せでない人生を送っているんですね。
 

憎しみはたったひとつの私の生きる証しとまでダンテスは復讐に燃えるのですが、彼を取り巻く人たちに徐々にほだされていくさまは見ごたえがありました。ダンテスに命を救われ、心酔しながらも復讐の虚しさを説くベルツッチオ(緒月遠麻さん)、最後にはメルセデスとともにダンテスのなかに残されていた良心を引き出す役回りですね。そして、海賊のルイジ・ヴァンパ(七海ひろきさん)もいい味を出してました。エデ姫のすみれ乃麗さんもダンテスに惹かれながらもその気持ちを抑え、しかも復讐の虚しさにいち早く気づく重要な役回りでした。

 

ただ桜木みなとさんと伶美うららさんは狂言回しの現代の高校生?という役で、少しもったいなかったような気がします。

 

ラスボスの朝夏さん、こちらも優し気な雰囲気をお持ちがゆえに、それがかえってフェルナンの狂気を際立たせる感じがしました。


息子役の愛月ひかるさんが若い!星組の2番手のころは大人の魅力で礼真琴さんと好対照でした。この時代は爽やか青年そのままでしたね。

 

「Amour de 99」
100周年前に昔からのショー作品の場面を現代風にアレンジして作成したものらしい。
印象に残っているのはパイナップルの女王の凰稀かなめさん!すごいスタイル!驚異の頭身!
そのあとのロケットの皆さん、スタイルは断然いいと思うのですが、少し割を食ったかもしれませんね。
あとはさすがの美穂圭子さん。力強い歌声。どんなジャンルも歌いこなせるのですね。