舞月なぎささんのサヨナラ特集で蘭陵王を視聴しました。
蘭陵王は古代中国4大美男の一人だとか。テレビ、日本の雅楽、小説など古くから蘭陵王を題材にしたメディアは数多あったようですが、宝塚歌劇がどのように加工したのか興味がありました。凪七瑠海さんが、主役の蘭陵王、ヒロイン音 くり寿さん、二番手皇太子高緯役瀬戸 かずやさんの布陣です。

 

当時は舞浜アンフィシアターのDelight Holidayを生で鑑賞したので生舞台を見ることがなかったのですが、初めてこの作品スカイステージで拝見しました。(今さらですが・・・)

内容はおそらくシリアスなのでしょうが・・・このあちらこちらに散りばめられた、何とも言えない楽しい展開・・・大好きです。

 

凪七さん本人が演じる捨て子の少年、いきなりハードな稚児扱い。村の長(航琉ひびきさん)から盗賊(澄月菜音)へと「ご主人様」が変わっていったが、実は由緒ある貴族の子息であることが盗賊退治をした斉の将軍斛律光(悠真倫さん)、段韶(舞月なぎささん)によって明らかにされる。粛清された村長も盗賊も彼を愛していたから驚き!

 

そして衝撃だったのが、瀬戸さん。いつもダンディな役をされる瀬戸さんが、ピンクのマフラーをブンブン回しながらオネエことばで歌うのが衝撃でした(これまた大好き)本来女性なのにオネエというのもなんですが・・・。瀬戸さん演じる皇太子

高緯の愛人逍遥君役の帆純まひろさんも怪しかったです。

 

武功をあげた蘭陵王に褒美として美しい女性を賜るという場面では若い娘役さんが生き生きと自己アピールできました。そこに名をあげた洛妃(音くり寿さん)実は暗殺を目論む冠者だったが蘭陵王は見抜き、そこで自害しようとした洛妃に「生きろ」と命じ、それからは洛妃は蘭陵王のために働き、何度も窮地を救う。音さん歌も演技もすばらしいです。

 

2幕瀬戸さんの「海のうた」?ざっぶーんいきなりのこの独り言の歌これまた衝撃!(これも大好きです。)

美しすぎるから、仮面をかぶり、美しすぎるから逍遥君にも嫉妬され、「美しすぎるからあんたが悪いのよ」と蘭陵王を殺すために用意した毒を飲みながら死んでいく。逍遥君の後釜になってほしかったという瀬戸さんの愛を拒んだがゆえに名誉ある死を蘭陵王に下したわけですが、史実では33歳でここで亡くなるんですね。でも宝塚版では洛妃とともに逃げ延びるのですね。

 

斛律光(悠真倫さん)、段韶(舞月なぎささん)将軍のお二人、存在感のあるすばらしい演技でした。航琉ひびきさん何役もやっていらっしゃいました。それぞれにいやらしさをよく表現されていました。(→ほめてる)美花梨乃さんもかわいかったです。

 

広寧王の妻役花野じゅりあさん、さすがの存在感。サブの語り部の役割でしょうが、いつものようなモテモテの設定も見たかったような気がします。

 

そして最初から最後まで通しの語り部の京三紗さん。すばらしかったです。その語りで物語の世界に引き込まれていきました。「人の嫌がることはしない」その通りです。それこそが平和への第一歩ですよね。(教訓)