スカイステージで2月に視聴した演目花組公演CASANOVA

トップ娘役仙名彩世さんのサヨナラ公演でチケットが取れず、東京宝塚劇場で初めて当日立ち見をした演目。映画館の千秋楽Live Viewもこの作品で初めて体験、臨場感は映画館ならでは。

CASANOVAの先行画像を見たとき、仙名さんのお役はサロンを主催する女性かなと勝手に想像していたのだが、実際には修道院帰りの純粋でかつ好奇心にあふれた女性ベアトリーチェ。もしかすると本当の彼女の性格に寄せてつくられているのではないかと感じる役柄だった。プレーボーイとしてヨーロッパを漫遊していた実在のカサノバは天性の「人たらし」の才を持っていたようで、明日海さん演じる彼もそちらの部分を強調しているような感じだった。1000人(以上?)の女性と浮名を流しても、恨まれることなく、男性ですらとりこにして(一部を除く)ヨーロッパ中の宮廷を渡り歩くことを可能にした彼の天賦の才だろう。うらやましい。

航琉ひびきさん演じるブラガディーノ卿(これまた実在の人物だったそうだが・・・)が騙されたふりをして逃走資金を用意したくだりも面白かった。

水美舞斗さんが美貌を封印(?)して演じたバルビ神父もカサノバと逃走しているうちにだんだん考え方が変わっていき、最後には桜咲さん演じるベアトリーチェの侍女ダニエラと恋人になる役。

今回は敵役の柚香光さん演じるコンデュルメル卿、その夫人役がまさかの鳳月杏さん!なんと妖艶なのでしょう。素直になれない似たもの同士という感じの二人。

そして美貌の花野じゅりあさんのゾルチ夫人!このSituation既視感が・・・。そう北翔海莉さんと仙名さん桜咲さんダブルヒロインだった「風の次郎吉」!親に売られた吉原の花魁で水美さん演じる呉服屋の番頭と恋仲。また柚香さん演じる吉原の男衆、鳳真由さん演じる与力にまで惚れられる、しかも北翔さん演じる次郎吉の元カノというモテモテの設定。それがまた似合うのですばらしい!

話がそれてしまった。嫉妬でコンデュルメル夫人に拉致され、迷い込んできた瀬戸かずやさん演じるコンスタンティーノと一緒にとらわれてしまう。その間に二人は恋に陥ちる。コンデュルメル夫人の手下のべネラ(音くり寿さん)がコンスタンティーノの侵入を許した罰としてご飯抜きの牢番を命じられる。しかし空腹そしてコンスタンティーノの「ごちそう」提供の誘惑に負けたベネラは「まっいいか」と二人を解放。

それがきっかけでコンデュルメル夫妻は大げんかコンデュルメル夫人は毒をあおる。コンデュルメル卿は策を講じベアトリーチェの父であるヴェネツィア総督(高翔みず希さん)を投獄しベアトリーチェも監禁したが、カサノヴァが駆け付け助けようとする。権力を抑えクーデターに成功したように見えたコンデュルメルだがそこに教皇ベネディクトゥス14世が登場。身分を隠し、ミケーレ伯爵として諸国を漫遊していた教皇が水戸黄門のように裁きをくだす。コンデュルメル夫人が瀕死の状態で運び込まれ、その段階でコンデュルメルは自分が本当に愛しているのは妻であると言うことに気付かされる。カサノヴァが解毒剤で助ける。カサノヴァはしばらくの間『所払い』ということで落ち着く。大円団!生田氏、斬新なアプローチで魅力的なカサノヴァを作りあげたと思う。仙名さんもたくさん活躍の場がありよかった。

 

音楽はフレンチミュージカルの巨匠ドーヴ・アチア氏。軽快なリズムにのせて皆さん楽しげに演じていた。

 


今回の放送では仙名さんのサヨナラショーの模様は放映されなかったが、もう一度あの大所帯のエイトシャルマンを見たかったなあ。